13歳の少年と怪物の物語。ズバリ、「死といかに向き合うか」がテーマ。死と向き合った少年が、揺れ動く自分自身の「心」と格闘した果てに「真実の愛」とは何かを知る──墨絵のような挿絵とともに語られる美しい話だ。
あらすじは──。
物語の主人公コナー・オマリーはイギリスのとある町で母親と2人、小さな家で暮らしている。
去年の春、母親が重い病気にかかっていることがわかった。そのころから学校の友だちも先生たちも──この世の全員が、とコナーには思えた──「重病の母親を持つかわいそうな子」として、まるで腫れ物にでも触るように接し始めた。
誰もが自分を哀れみ、特別扱いする。そのことがコナーの孤独感をいっそう募らせた。
そのコナーの前に、ある夜、イチイの木の姿をした怪物があらわれる。怪物は毎夜のごとくあらわれ、お伽話のような物語を聞かせる。
怪物が来る理由はなんなのか。物語を聞かせるのはなぜなのか。
物語の主人公コナー・オマリーはイギリスのとある町で母親と2人、小さな家で暮らしている。
去年の春、母親が重い病気にかかっていることがわかった。そのころから学校の友だちも先生たちも──この世の全員が、とコナーには思えた──「重病の母親を持つかわいそうな子」として、まるで腫れ物にでも触るように接し始めた。
誰もが自分を哀れみ、特別扱いする。そのことがコナーの孤独感をいっそう募らせた。
そのコナーの前に、ある夜、イチイの木の姿をした怪物があらわれる。怪物は毎夜のごとくあらわれ、お伽話のような物語を聞かせる。
怪物が来る理由はなんなのか。物語を聞かせるのはなぜなのか。
中高生向けの本というが、テーマがテーマだからか、大人でも泣ける。恥ずかしながら、こんなに泣いた本は久しくなかった。
「百年あったらよかったのに」
「百年、あなたにあげられたらよかったのに」
という言葉が、百年生きられない(中には生きてる人もいるが)人間という生きものの悲しさと同時に優しさをあらわしているように思えた。
「百年、あなたにあげられたらよかったのに」
という言葉が、百年生きられない(中には生きてる人もいるが)人間という生きものの悲しさと同時に優しさをあらわしているように思えた。