善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

釜山・慶州の旅1 元祖ハルメチッ

4月5日から8日までの3泊4日で韓国の釜山・慶州を旅してきた。
ツレアイと友人男性の3人旅。去年の春、やはり3人でソウルを旅しておもしろかったので、今度は南の釜山という次第。
ホテルと空港までの送迎付きで、1日目に釜山到着後、免税店に1軒寄るだけであとはフリーの格安ツアー。

大韓航空機で成田を12時5分出発。乗っている時間は2時間ちょっと。それでもちゃんと機内食で昼食が食べられたし、映画も『ヒューゴの不思議な冒険』をしまいまで観賞。
ホテルは地下鉄ポミル(凡一)駅に近い「国際観光ホテル」。グレードは低そうだが、日本人が多く泊まるホテルで、フロントでは日本語も通じる。部屋は10階で眺めがいい。室内もきれいで広さもまあまあ。歯ブラシ、シャンプーは有料だが、持参すれば問題はない。
写真奥がわれわれの泊まったホテル。
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ロッテ免税店に寄ったので(といってもすぐに隣のロッテデパートの地下の食品売り場を徘徊したので、リッチな買い物はなし)、ホテル着は6時すぎ。晩飯は駅の近く(10番出口から2分ほど)、ホテルからも歩いて10分ほどの、日本で調べておいたタコ鍋の店へ。

「元祖ハルメチッ」というナクチポックンの専門店。
「ナクチポックン」とは、「ナクチ」が「テナガダコ」、「ポックン」は「炒める」の意味だそうだが、炒めるというより煮るという感じ。
生の新鮮なテナガダコにネギやタマネギ、ニンニク、それに「タデギ」と呼ばれる薬味を入れて煮込んだ料理。タデギは見た目は真っ赤なトウガラシでチョー辛そう。

ナクチのほか、エビとホルモンも各1人前ずつ頼んだら、フライパンを大きくしたような大きな鉄鍋にドサッと入れてきた。
テーブルにガス台を置いて、目の前で煮込んでくれるが、客が勝手にやるのではなく、すべてオネーサンが面倒を見てくれる。ころあいというのがあるのだろう。
おいしくなったところで食べ始めるが、これがウマイ!
見た目と比べて辛さはあまり感じられず、うまみが勝る。
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店名の「元祖ハルメチッ」とは、「ハルメ」は「おばあさん」で「おばあさんの家」という意味なんだとか。
テナガダコはさすが港町釜山だけに昔から食べられていて、焼いたりするのが普通だったという。40年ほど前、それにコチュジャンやニンニクなどを入れた薬味で炒めた料理を新たに考案したのがここのおばあさん。それで元祖ハルメチッというわけだ。

最後にご飯を入れて混ぜて食べると、これまたサイコー!
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1つ気になったのは隣の若いカップル。地元の人だろうが、最後におたまで押さえるようにしておこげを作って食べていた。あとで調べたら、これこそが食べ方の極意で、このおこげがうまいんだそうだ。これこそ「ポックンパッ(炒めご飯)」。うーん、おこげを食べたかったァ~。

ちなみに「元祖ハルメチッ」とか「ポックンパッ」とか、「・・・ッ」で終わる言葉が韓国では多いような気がする。英語表記をそのまま読めば「元祖ハルメチプ」とか「ポックンパプ」なのだろうが、韓国語の発音は最後の「プ」は唇を閉じるだけの「P」の発音だという。したがって「ハルメチッ」「ポックンパッ」というわけだ。
いずれにしろ、ホテルの近くを探してたまたま見つけた店がこんなおいしい店だとは。釜山は奥が深い。料金はお酒(焼酎)も入れて1人1万ウォンだから日本円にして800円ほど(1ウォン=0・08円)。安い!

まだ飲み足りないというので2次会は屋台を物色。とにかく屋台がズラリと並んでいて、どの店に入ったらいいか迷う。
そのうちの1軒、トラックの荷台を改造した屋台で、イスがあって人懐こそうなおばさんの店に入る。
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日本の海苔巻きそっくりのキムパ(キムパプ)、オデン、ソーメン、キムチ。
ビールを注文したら急におばさんがいなくなって、しばらくしてからビール瓶を抱えて来た。どこかから調達してきたらしい。

このおばさん、人懐こいどころか、こちらから何もいわないのに一緒に座り込んで勝手にビールを飲み出す。客が来るとヨッコラショッと立ち上がって、いなくなるとまた酒盛りに参加する。日本語が通じないから会話は成立しないが、なんとなく仲良くなる。
狭いトラックの荷台で作業するおばさん。
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お代は3人で2万2000ウォン(1760円)ほど。うっかり間違って1000ウォン(80円ほど)札を1枚余計にサイフから出したら、お札を奪うなり自分の頭にゴシゴシこすりつけて「もう自分のものだ」という顔をして、サンキューとほっぺたにチュッ。1000ウォン札はオバサンのふところに。
ナント肝っ玉の据わったオバサン。ただカンドーするばかり。

かくて釜山の1日は終わる。