善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

小三治のまくら

きのうは柳家小三治独演会。アミューたちかわ(立川市民会館)大ホールにて。

サクラ満開で花見日和というのに会場は満員。まずは柳亭燕治の「粗忽の釘」。年は51で真打だそうだが、落語は初めて聴く。

続いて小三治登場。まくらはあっさり。サクラ満開にひっかけて、俳句や川柳をいくつか紹介して、「長屋の花見」。

15分の休憩のあと、今度はまくらをたっぷりと。もともと小三治のまくらが長いのは有名で、まくらだけを集めた本まで出しているほど。
きょうの話題は「うがい」について。風邪の予防、また、声を大事にする商売柄か毎日うがいを欠かさないという。あと、風邪がひどい場合はのどの奥にハチミツを塗るんだとか。(毛筆の先にハチミツをつけてチョイチョイと塗るそうだが、これがけっこう効くらしい)
ついでにうがいの仕方まで伝授された。それよにると、うがい薬というと某製薬メーカーの製品が有名だが、主成分のヨードは殺菌・消毒効果が強すぎてのどによくないのだとか。(まあ、あくまで小三治の体験では、ということだろうが)で、彼がが愛用しているのは「ハチアズレ」といううがい薬。おだやかな抗炎症作用を有しているので、のどの粘膜へのダメージは少ないという。

さらに小三治は、うがいの要諦は次の点にあると力説する。すなわち、「うがい薬でうがいした最後には必ず真水でうがいすること」。
私たちの体には免疫系が張りめぐらされていて、何か異変があったら大変と常に体を守るために働いている。のどの粘膜を薬で消毒するのはいいけれど、薬に頼りすぎると免疫軍は「薬が守ってくれるなら、俺たちは何もしなくてもいいや」と働かなくなってしまう。したがって、一度薬で粘膜の掃除をしたら、薬は真水で洗い流して、免疫軍の働く余地を残した方がいい、というわけだ。

たしかに、小三治が「自分には合わない」といううがい薬は、強い殺菌作用があるものだから、ほかの細胞までも障害し、かえってのどの粘膜の防衛力を弱め、むしろ悪い菌やウイルスの侵入を容易にしている可能性がある、との指摘もある。
体の免疫力を期待するなら、最初から真水でのうがいにしてもよさそうなものだが、「ハチアズレ」というのは穏やかな効き目だそうだから、ある程度の手助けはプラスに働くのだろう。

まくらがエンエンと30分も続いて、終演時間の午後4時が近くなり、落語はどうなるんだろう?きょうはまくらだけで終わっちゃうの?と不安に思ったら、やおら「品川心中」が始まった。
話は途中までだったが(だいたい途中で終わるのが多い)、江戸の品川の様子がありありと目の前に広がっていって、話芸のすごさを感じた。さすが小三治

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