善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

アシナガバチの巣

朝起きてわが家の前のヒメシャラの木をヒョイと見ると、白いものがぶらさがっている。
はて花かしら?とよく見ると、何と白い小さなハチの巣だった。
イメージ 1

今まで葉っぱが繁っていてわからなかったが、落葉して枝だけになってようやく気づいた。こりゃ大変と調べてみると、どうやらアシナガバチの巣のようだ。

アシナガバチスズメバチ科のハチ。26属1000種以上が知られ、日本には3属11種が生息しているのだとか。セグロアシナガバチ、キアシナガバチフタモンアシナガバチなどいろいろあるが、巣の形からするとヤマトアシナガバチに似ている。

スズメバチなら刺されたら大変。しかし、同じスズメバチ科に属すといってもアシナガバチは農作物や街路樹、庭木につく毛虫やイモムシなどをエサとする「益虫」という。
それに比較的おとなしい性格なので、巣に触れたり刺激したりしない限り攻撃をしかけてくることはないという。
だから自治体なども積極的に駆除したりしないのだそうだ。

そういえばわが家ではクモも益虫というので、見つけたら「いつもごくろうさん」と声をかけてそっと外に放している。
アシナガバチの巣も、それと知らずにわが家を守ってくれているようで、むしろちょっとうれしい気分になった。

ただし、アシナガバチは越冬はしないので、冬の今の時期、巣は空っぽ。
越冬しないのなら、どうやって子孫を残していくのか?
秋になるとオスとメスで交尾する。交尾が終るとオスは死んでメスだけが越冬するという。
ミツバチの世界でも交尾したオスは即死し、交尾できなかったオスもやがて死んでしまう(オスは自分でエサをとることができず、メスからえさを与えられなくて餓死する)が、それと同じ。
ハチの世界ではオスは単に“産ませる機械”でしかない。(まあ、ハチの世界ではそれが自然の摂理なのだが)

冬になると、オスの精子を宿したアシナガバチのメスは巣を捨てて、比較的暖い場所を探してその中にもぐり込み、冬の寒さに耐えて春を待つ。

けなげなアシナガバチよ。