善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

純白のソバ

土曜日は国立新美術館で「シュルレアリスム展」を見た帰りにそば屋へ。ところが、お目当ての店は連休中は店も休みだそうで、それならと近くにあって以前一度行ったことがある「祈年 手打茶寮」へ。

ビールと日本酒(福岡の「独楽蔵」と秋田の「刈穂」)を注文。つまみはクリームチーズの西京漬け、キンピラ、レンコン餅。
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〆のそばは、先日は普通のもりそばにしたもんだから食べられなかった「豊穣」とかいう発芽そばと、「吟白」という更科の10割水ごねそば。
発芽したばかりのそばの実を石臼で挽いて打ったのが「豊穣」で、そばの実の芯の白い部分だけをツナギを用いず水で打ったのが「吟白」。

これまで、更科を水だけでそばにするのは不可能といわれていたんだそうだ。
そば粉だけを固めて細い一本のそばにするにはツナギの働きをするネバネバ成分が必要で、そば粉に含まれるタンパク質がその役割を果たしている。ところが、更科粉(そばの実の中心部からとれる真白い部分だけを粉にしたもの)は粘りの役目をするタンパク質がほといどないため、なかなかつながらない。
そこで、更科粉で10割そばを打つなら、熱湯を使って水まわしをする“湯ごね”にするのが一般的。しかし熱湯をかければ当然、風味は損なわれる。といってボロボロじゃ困る。痛し痒し、というわけだった。
だから水だけでそばを打つには、水まわし(加水)、捏ね、のばしなど、相当の技術が必要ということになる。

で、目の前にあらわれた「吟白」そばはというと、白い! まるでダイコンを千切りにしたような、そばの色ってこんなに白かったの? と思えるほどの純白の輝き。食べるとプリプリと弾力があってけっこう歯ごたえがある。風味もよい。
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もう1つの「豊穣」のほうも弾力があり、こちらは芳醇なうまみ、というところか。
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金曜日は友人と連れだって荻窪駅近くの居酒屋「魚津」へ。
昔、この界隈に住んでいたころ何度か行った店。10数年ぶりだろうか。魚は新鮮。酒は・・・とおすすめメニューを見ると、どれも1合1,000円以上の高いものばかり。
隅の方にある分厚いほうのメニューをめくっていくと、ありました。1合500円の庶民の酒。しかも中に富山の「成政」があった。
昔、この店でよく飲んだ酒。「成政」の由来は、今をさること400年前、戦国の武将佐々成政は、越中に領地を与えられて一国一城の主となり、浜松の家康のところに参じようと、厳冬の立山北アルプス山脈を越えての「さらさら越え」……、と講釈しながら酒を酌み交わすハナ金の夜であった。
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