善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

美大生の就活展

2日続きでテレビの話題で恐縮だが、けさのNHKニュースの中で「美大生の就活展覧会」の話題を放送していた。

それによると(といってもきのうと同じで、記憶を頼りにしているので誤りもあるかもしれないが・・・)、このところの就職難は美大生にはさらに重くのしかかっていて、就職率は4~5割ぐらいだという。そんで現実を見かねて、美大生のための就職情報誌(そんなのがあるんですね)、「美ナビ」とかいうのを発行している「モーフィング」という会社が、森ビルと共催で「就活展」を開いているという。

作品のいくつかが紹介されていたが、工業デザイナーをめざす学生がつくった間伐材を伐採し運搬するマシン(たしかムサビの4年生だった)とか、曲線を巧みに使った建築モデルなど、なかなかの秀作ぞろいだ。

だが、いくら才能があっても会社の採用担当者の目に留まらなければ、彼らは埋もれたまま。そこで企画されたのが就活展で、「モーフィング」のホームページなどで就職を希望する学生らを対象に全国から作品を公募し、集まった約400点の中から、専門家の審査を通過した絵画や彫刻など約150点を展示。ゲームソフト開発会社や商社、スポーツ用品メーカーなど約500社の人事担当者に無料の招待券も郵送し、「彼らの作品を見て」と訴えたというわけだ。

ふたを開けてみると、意外なマッチングがあったという。間伐材を伐採し運搬するマシンの精巧なモデルをつくった工業デザイナー志望の学生のところには、フィギュアを製造販売する会社の担当者があらわれ、モデルを元にマシンを作るのではなく、モデルそのものをショーケースかなんかに入れて売ったらどうか、という誘いを受けたという。

また、曲線の建築デザインを勉強している学生のもとには、インテリアデザインの会社から話があり「当社は海外向けにインテリアデザインを提案しているが、最近注文が増えているのが曲線を使ったデザイン。曲線のソフトを組み込んだCADを買おうか、社員を教育しようかと考えていたが、この人から教えてもらえばいい」というので、臨時社員(試用期間とかいっていたが)に雇われたという。

大学に行くならテストの成績次第でどうとでもなるが、会社に入るとなると、会社や担当者との出会い、相性などなど、“運”が左右することが多いものだ。自分がやりたいことをいかに貫いていけるか、あるいは、やりたいことを追求する中でホントにやりたいことをいかに見つけるか。若者たちにチャンスはいくらでもある。チャンスの場をもっと与えてあげたいと思う。

なお、この就活展は東京・港区の六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで開かれていて、あす28日まで。午前10時~午後8時。一般・学生は1000円(中学生以下は無料)。