善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

さびしそうな山田風太郎

朝の善福寺公園。曇り。風なく蒸し暑い。
きょうはウが8羽もいた。
わが家のアサガオが咲いている。去年のタネが花をつけたもので、いくぶん小ぶり。
そういえば街を歩いていてもアサガオを見ない。いろんな新しい品種が出回るようになって、アサガオの人気は下火になったのだろうか。それとも、子どもが少なくなって、夏休みの宿題のアサガオ観察をする家庭が減ったからなのだろうか。

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山田風太郎エッセイ集成 人間万事嘘ばっかり」(筑摩書房)を読む。
といっても読みたくて買ったのではない。たまたま予約した本を図書館に取りに行って、新刊図書コーナーに寄ったら、この本がポツンと置かれていた。
かりにも大作家の新刊である(7月25日初版)。それなのに誰も読む人がいないのか、とかわいそうになり、借りて読んだ次第。
一世を風靡した流行作家も、死んでしまえば忘れられる運命なのだろうか。(ちなみに山田風太郎は2001年、尊敬する江戸川乱歩と同じ7月28日没)

読み進むうち、寒けがした。考え方はかなり違うが、性格が実に似通っている。ひねてくれいるところ、横着なところ、とても他人とは思えない。

読んでいて、吹き出してしまったのは次の箇所。
昭和28年8月、谷中のある寺の「怪談夜ばなし会」に出たときのこと。手持ちの怪談を持っている人が一人ずつ話を披露したが、出席者は高木彬光井上日召古今亭今輔林家正蔵などなど。

「みんな、こわいような、あんまりこわくないような階段ばなしのなかで、だれかの、雪の新潟で一軒家にひとり泊って、酒は老婆が運んできたが、サカナがなかなかこない。ふと床の間をみるとスルメが一枚おいてあったので、それをサカナにしてみんな食ってしまったところへ、老婆が皿を持ってあらわれて、そのスルメは痔もちのその老婆がふだんお尻にあてがっていたものであったということが判明した、という話がいちばんこわかった」

話はかわって、
「スポーツで、自分がファンであるかどうかを弁別するには、その対象となる力士なり選手なりが登場すると、心配で胸がドキドキするかどうかだと思うのだが、私の場合は徹底したもので、巨人戦の場合(山田氏は巨人ファンらしい)、相手のチームが攻撃に回ると、ラジオを切ってしまうのである。そして大体時間を見はからって、巨人の攻撃がはじまったころ、またスイッチをいれる。いっそ、表、裏、ぜんぶ巨人が攻撃ばかりしていたら、負ける心配はないのだが、などと考える」
別に巨人ファンではないが、同じことをやってるなー。

「私にとっての謎」という項で、
「(テレビで)アナウンサーがどこか離れた土地の記者を呼び出すのに、その映像がなかなか出ないので、『何々さーん、まだ出ませんか』と、くりかえし、数分後、『出ないようです。では次のニュースに移ります』などニガニガしげにいったとたんに映像が出て、『あ、出たようです。出たようです』と、やる。テレビの最大の根幹的重要事は、何より映像が出ることである。これが出ない。、などということがあっていいことか。機械のことだから、なんていっていられないはずだ」

山田氏にならって「私にとっての謎」をいえば、今週のNHKの夜の放送を見ていたら、6時10分からの「首都圏ネットワーク」の池田、上條両キャスターのうち、年かさで男性で家庭持ち(たぶん)のほうの池田キャスターは今週1週間、夏休みだそうだ。
そしたら夜9時からの「ニュースウォッチ9」でも、大越、青山両キャスターのうち、こちらも年かさの男性でたぶん家庭持ちの大越キャスターは、やっぱり夏休みのためお休み。

今週はお盆の時期。男性の方は妻も子もあり、親戚づきあいもあって、帰省とか、子どもの夏休みにつきあわなくてはいけないので「お先に失礼」となったのだろうか。
一方、若い女性キャスターは「何も、どこも人がいっぱいの時期に休まなくても」とわざとお盆をはずすことにしたのか。

どっちにしろ、男性キャスターの都合が優先したのはたしか。NHKはやっぱり男上位なのだろうか。
これに対して朝7時からの「おはよう日本」では阿部渉鈴木奈穂子両キャスターが、ともにお盆休み返上でがんばっている。こちらはエライ!といいたい。