善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ポルトガルの旅 その2 ファドの夜

リスボン2日目は終日市内観光。
朝8時半ごろ宿を出て、宿の近くのサンペドロ・デ・アルカンタラ展望台を経て、おいしそうなパステリア(手作りパンが食べられる店)で朝食。
ポルトガルは教会はもちろん家々の壁を飾るアズレージョ(装飾セラミックタイル)が有名だが、この店にも美しいアズレージョがあり、花に群がるミツバチが描かれてあった。
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丘の上と下を結ぶのがサンタ・ジェスタのエレベーター。20世紀初頭にエッフェルの弟子のフランス人建築家が設計したという。高さ45mの巨大な鉄塔の中をクラシックなエレベーターがのぼりおりしている。
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エレベーターで下ってオウロ通り、アウグスタ通り近辺を歩く。
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大道芸人
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ポルトガルでは缶詰が名物らしくあちこちに専門店があったが、ここもその1つ。ウナギの缶詰屋さん。
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ポルトガル中部の都市アヴェイロの伝統的な製品の1つにウナギのエスカベッシュ(西洋風南蛮漬け)があり、それを缶詰にして売っているんだとか。

通りを歩いていたらレトロな雰囲気のキャンディー屋さんがあったのでのぞいてみる。
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奥でキャンディーづくりをしていた女性が出てきて、試食させてくれた。フルーツの香りが味に溶け込んでいておいしい!
この店、「papabubble」といってスペインのバルセロナで2004年創業の手作りキャンディーの店のリスボン支店という。ニューヨークやアムステルダムなどのほか、東京にも支店があるそうだ。

歩いている途中の教会でみかけたアズレージョ
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坂の多いリスボンは階段の街。エッチラオッチラ登っていく。
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ここにも美しいアズレージョ
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トラムに乗ってアルファマ地区にあるサン・ジョルジュ城へ。
丘の上にある城からのながめがすばらしい。
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ポルトガルは花もカラフル。
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昼食で飲んだビール。
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ほかにもいろいろ食べたが、何たっておいしかったのがイワシの塩焼き。
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1930年操業の缶詰専門店「コンセルヴェイラ・デ・リスボア」で缶詰を買ったあと、ジェラートの店「サンティニ」でしばし休憩。
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夜はアパートの近くにあるファドの店「A Severa」でファドを聴く。
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出発前からコインブラで男性のファドを聴く予定にしていて、それとの比較でもともとの発祥地であるリスボンのファドはどんなだろうと店を探す。1軒目は予約でいっぱいだったが、2軒目の店は空いていた。
ファドはポルトガルで生まれた民族歌謡。ファドとはポルトガル語で運命とか宿命を意味する言葉だそうだ。通常、丸い形をした12本の弦を持つギターラと、ビオラと呼ばれる普通のギターで伴奏をし、それにあわせてマイクなしで歌い手が歌う。
これがギターラ。
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女性2人、男性1人が代わる代わる歌い、最後は3人の合唱。
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どこか日本の昭和歌謡のような響きがあった。
この日飲んだワイン。
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店の奥にファドを歌う女性を描いたアズレージョがあった。
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ポルトガルでこれから毎日アズレージョを見ることになるが、ここでアズレージョについてひとこと。
ポルトガルではセラミックタイルのことをアズレージョというが、その語源はペルシャ語に由来するという。
ポルトガルを含むイベリア半島イスラム教徒に支配された時代があり、そのころ渡ってきたのが青いタイルだった。青はイスラムの人々にとって聖なる色。青は空の色であり水の色であり、そこに無限の力、神秘の力が潜んでいるからだ。
青の色の原料として最も好まれたのがラピスラズリという希少鉱物だった。ラピスラズリのラピスは「石」、ラズリは「群青の空の色」という意味だそうだ。そのラピスラズリのラズリからアズレージョという言葉が生まれたという。
日本ではラピスラズリは瑠璃と呼ばれて仏教の七宝の1つとされ、真言宗の開祖、空海は瑠璃を守護石としていたという。
青の色の美しさに誰もがとりこになったに違いない。そういう私も・・・。