善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「ゲームの規則」

オーストラリアの赤ワイン「ベンチマークカベルネ・ソーヴィニヨン(BENCHMARK CABERNET SAUVIGNON)2016」
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料理の一部。このあと肉料理。
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ベンチマーク」とは、ずいぶん固い名前をつけたものだ。「指標」とか「基準」の意味。それだけ自信作ということなのか。
それにしては意外とさわやか系の味。

ワインの友で観たのはだいぶ前にNHKBSで放送していたフランス映画「ゲームの規則」。
1939年製作。監督はジャン・ルノワール。画家・ルノワールの息子。
出演はマルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータンほか。
ルノワール監督自身も出演していて、ほとんど出ずっぱり。金持ちでも貧乏人でもない食客みたいな感じで登場し、狂言回し的な役どころだが、育ちのよさゆえにか、どこかおぼっちゃんぽい。

第二次世界大戦勃発の直前のフランスの貴族社会を描いている。
この映画のテーマの1つは不倫だ。フランス社会(だけでなくヨーロッパのほかの国々もそうかもしれないが)では不倫が当たり前のようになっているのがよくわかる。
日本だって戦後の一時期までは不倫どころか男が妾を持つのは当たり前だった。ただ日本の場合は家父長制の下での男の特権だったが、フランスでは女性もけっこう自己主張している。ゆえに「妾」ではなく「不倫」なのだろう。

映画では、公爵家とともにその家僕というか従業員の生活も描かれ、互いに不倫話が入り乱れ、さらには狩猟の集いや仮装パーティーが催されてドタバタ劇となり、殺人にまで至る。

しかし、そんな混乱も結局はウヤムヤで落着してしまい、集まっていた金持ちたちは何ごともなかったように屋敷をあとにする。
世界大戦が必至の情勢の中で、「今さえよければいい。あとは野となれ」という世相を皮肉っているようでもあった。