善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

神戸 異人館街・旧居留地めぐり

仕事で神戸に1泊し、翌日は朝から夕方まで神戸を散歩。
まずは三宮から地下鉄で1駅のJR新神戸駅へ。駅前のANAのホテルでコンシェルジュから地図をもらい、散歩スタート。

北野異人館街にある北野天満宮社。港が見える丘のうえに立つ神社として知られる。
北野天満宮といえば京都の総本社が有名だが、神戸の北野天満宮も歴史があるらしい。治承4年(西暦1180年)、平清盛が京都から神戸に都を移して「福原の都」をつくるに当たって、禁裡守護、鬼門鎮護の神として京都北野天満宮から勧請して祀られた古い歴史を持っているとか。
60段の階段をのぼっていく。
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北野天満宮から見た「風見鶏の館」。
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風見鶏の館は明治42年(1910)、ドイツ人貿易商ゴッドフリート・トーマスが自邸として建てた建物。 国指定重要文化財
風見鶏はその名の通り風向きを知る役目を持っているが、オスの鶏は警戒心が強いことから魔除けの意味もあるという。キリストの弟子ペテロがキリストの教えにめざめたのもオスのニワトリのコケコッコーの鳴き声からだった。

居間。1階南側の中央にあり、大きい窓から日差しが差し込む。
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居間の天井。
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解説を読むと、トーマス一家は数奇な運命にさらされたことがわかる。
この家にはトーマス夫妻と娘のエルザが住んでいた。そのころのエルザの写真が展示されていた。
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21歳で来日し、日清・日露の戦争で大儲けをしたトーマスは、神戸が気に入ってこの家を建て、妻と一人娘のエルザと3人で幸せに暮らしていたが、エルザが14歳になったころドイツに一時帰国。ところがその最中に第一次世界大戦が勃発し、日本とドイツは敵国となってしまったためトーマスの家も財産も日本に没収されてしまう。
大金持ちだったトーマスは一転して無一文となってしまい、その後の消息も不明となる。
ところが第二次大戦後の昭和52年(1977年)、「風見鶏の館」がNHKの朝の連続テレビ小説「風見鶏」で有名になり、当時ドイツにいた一人娘エルザはそれを知る。
エルザが生きていたことが日本に伝わり、建物を所有している神戸市は初めて「風見鶏の館」のかつての住人がドイツに生存していることを知る。第一次大戦からだけでも優に60年以上はたっている。その後、エルザと神戸市は親交を深め、79年、エルザは来日し、自分が幼いころをすごしたわが家を訪れた。
エルザはどんな思いで再び日本を訪れただろう。

やはり国指定重文の「萌黄の館」。
明治36年1903年)、アメリカ総領事ハンター・シャープの邸宅として建築された洋館。 その名のとおり外壁は萌黄色一色。
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建物の中も萌黄色だったが、ベッドルームはさすがに落ち着いた色合いで、日本の風土に合わせたのか、張り出し窓が設けられ光をふんだんに取り入れる設計がされていた。
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登録有形文化財の「うろこの家」も見たかったが、入館料が1000円もするというのでやめる。
せめて外観だけ見ようと入口まで行くが、さすが敵もナントカで、外からは見えないようになっている。
まあ重文を2つも見れば満足と、市内を循環するバスに乗って元町の旧居留地へ。
ここは近代洋風建築が立ち並ぶ場所で、目と鼻の先にあるのが南京町(中華街)。
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ちょうどお昼時で、中華街に来たのだから中華でも食べようかとも思ったが、神戸牛の店の前で逡巡していたら、外に出てきた店の人に誘われて店内へ。
「吉祥吉」という店で、一頭買いした神戸牛を自社加工しているのが自慢らしい。
神戸牛の品評会で「最優秀賞」を受賞したときの記念品まで見せてくれた。
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ビールはキリン一番搾りの「神戸づくり」。麦芽・ホップに加えて米が入っているのが特徴で、「山田錦使用」と書いてあった。飲むとほんのりコメの味わいが・・・?

店のサービスか、あるいは料金込みのツキダシか、牛タタキ。
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牛ステーキ。
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午後は旧居留地を一巡り。
居留地38番館。ウイリアム・メレル・ヴォーリズの設計で1929年(昭和4年)竣工。アメリカン・ルネッサンス様式の建物。現在は大丸所有で店舗として使われている。
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明海ビルの入口の天井。
オリジナルの明海ビルは1921年(大正10年)に竣工。アールヌーボーの影響による曲線の美しさを生かした内装で知られ、天井にもその余韻が。
しかし、1995年、阪神大震災により被災し、全面的に建て替えられ、現在は新しい明海ビルに生まれ変わっている。
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神戸市役所24階展望ロビーからのながめ。
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夕方、伊丹の大阪空港から東京へ。

この日の歩数、1万4493歩。まあまあ歩いた。