善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ヴェネチア・ビエンナーレ 北イタリアの旅⑮

6月4日、日曜日、北イタリアの旅10日目は、朝9時25分発の電車でアッシジを発ってヴェネチアへ向かう。
途中、フィレンツェで乗り換えて、イタリア国鉄が誇る高速列車「フレッチェロッサ(FrecciaRossa)」に乗り換えてヴェネチアへ。フレッチェロッサはETR500型とETR400型の2種類があり、最新型のETR400型は2015年6月から運行開始。われわれが乗ったのはその最新型。最高時速300キロで、ミラノ-ローマ間を最速2時間55分で結んでいる。
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車内のカフェで買ったサンドイッチとフルーツ、カプチーノで軽い昼食。
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ヴェネチア本島に渡る長い鉄橋を渡って、サンタ・ルチア駅に着いたのは14時20分ごろ。駅前は船の乗り場。水の都・ヴェネチアの主要交通機関は「ヴァポレット」と呼ばれる水上バス水上タクシーなどの船なのだ。
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人を運ぶのも荷物を運ぶのも船であり、そういえばヴェネチア滞在中、一度も車を見なかった。というか、そもそもヴェネチア本島内では自動車での移動は不可能であり、自転車も禁止されているという(車イスなんかはOK)。坂道と細い路地ばかりのモロッコのフェズ旧市街も車はなかったが、あそこではロバが活躍していた。
宿は駅から歩いて7、8分のところにあるB&B。部屋の窓を開けると目の前に運河が見えた。
ベッドには東洋趣味の絵が描かれてあった。
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荷物をおろして、休む間もなく街に出る。
ヴェネチアではちょうど2年に1度のヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展が開催中。ただし、われわれは火曜日の朝まで当地にいるが、ビエンナーレは月曜日はお休み。ということは、着いた日の日曜日しかビエンナーレを見ることができない。
それで荷物を置いて真っ先にビエンナーレ会場へと駆けつけた次第。
水上バスの乗り場。
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ビエンナーレ会場はヴェネチア本島の端っこの方にある。
水上バスで向かうことにするが、着いていきなりでは乗り方がわからない。ようやく乗り場がわかり、鉄道駅近くの「ローマ広場」から2、30分ほど乗って「ジャルディーニ」で下船。
途中、ヴェネチア名物のゴンドラとすれ違う。
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船着場から徒歩5分ほどでカステッロ公園内のビエンナーレ会場に着く。
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ヴェネチア・ビエンーレは、1895年に最初の美術展が開かれて以来、約120年の歴史を持つ“芸術の祭典”。
国が参加の単位となっていて、参加各国は自国のパビリオンを構えて代表アーティストの展示を行う。国同士で賞レースをすることから「美術のオリンピック」とも称されている。
日本館。GIAPPONEの文字。
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日本館の出展者は岩崎貴宏氏。作品名は「逆さにすれば、森」
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岩崎氏は1975年広島県生まれ。これまで、歯ブラシや文庫本、雑巾や髪の毛といった身の回りのものから抜き出した繊維で鉄塔やクレーンなどの建築物を構築し、自然の風景に見立てた景色を作り出す、といったような作品を発表してきたという。
また「リフレクション・モデル」シリーズという歴史的な建築を地上の実像と水面に反射する虚像を一体化させた様子を精巧な木製模型で再現する作品でも知られているという。
今回の作品では、五重の塔や厳島神社、鉄塔やクレーン、本の山などをモチーフに、エネルギーのあり方や揺れる大地など、現代日本の状況を提示していた。

ピロティに階段を仮設し、階段を上ってメインフロアの床の開口部から作品が鑑賞できる仕掛けも。
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岩崎氏によれば、「1つの展示を、見上げる・見下ろすという異なる視点を作ることで、透視図法のように1つの視点による整合性のとれた空間ではなく、複眼的に展開される空間体験を生み出したい」のだそうだ。

ビエンナーレは夕方5時で終了。ギリギリまで各国の展示を見て回り、再び船に乗って「ローマ広場」へ引き返す。
それにしてもいろんな船が行き来している。
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夜は、事前にチェックしておいた店に行く。いや、行ったつもりが、間違って隣の店のテラス席に座ってしまった(だって隣の店の看板の真ん前にその店のテラス席があるんだもん)。ウエイターがやけににこやかで、彼の笑顔につられたせいでもあるが、味は悪くなかったので、よしとする。
まずはビール。
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やっぱりイタリアに来たらこれを食べなきゃ。イカスミのスパゲッテイ。
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手長エビのグリル。
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イワシのマリネ。
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ヴェネチアはやっぱり魚介がうまい!

(つづく)