善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

プンタ・デッラ・ドガーナ 北イタリアの旅⑯

北イタリアの旅11日目の朝、宿の部屋の窓から運河が見えた。
ヴェネチアでは川は路地のように身近なものだった。
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ホテルの朝食。B&Bだから朝食付きなのは助かる。
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水上バスサン・マルコ広場へ向かう。
サン・マルコ寺院を見学しようとしたら長蛇の列。あまりの列の長さに入るのをやめる。
それにしても豪華絢爛。色大理石と彫刻で飾り付けられたファサードは目を奪われる。
どこかイスラムか東洋風の感じもする。
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かわりに隣に建つドゥカーレ宮殿に入る。
こちらはヴェネチア共和国の総督邸兼政庁であった建造物で、8世紀に創建され、14世紀(1309年)-16世紀にかけて現在の形に改修された。現在内部は美術館として開放されている。
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見事な天井画の数々。ティントレットの「ヴェネツィア称揚」(1584年)
ティントレットは、師匠のティツィアーノやヴェロネーゼとともにルネサンス期のヴェネチア派を代表する画家。
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ヴェロネーゼ「老いと若さ」(1554-1556年ごろ)
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壁画の損傷が激しい部屋があった。
これは天女だろうか?
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ティントレット「天国」(1588年以降)
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ドゥカーレ寺院を見たあとは対岸に船で渡り、「プンタ・デッラ・ドガーナ」で現代美術を見る。「プンタ・デッラ・ドガーナ」とはイタリア語で「税関岬」の意味だそうで、たしかに岬のようなところに建物がある。
もともと17世紀に旧税関倉庫として建てられたのをリノベーションして、世界的なアートコレクターとして知られるフランソワ・ピノーのピノー財団が運営する美術家となった。
リノベーションを担当したのは安藤忠雄。2009年のベネチア・ビエンナーレの開催と同じタイミングで美術館としてオープンしたという。
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われわれが行ったときはイギリスの現代美術家ダミアン・ハーストの「Treasures from the Wreck of Unbelievable」展が開催されていた。
インド洋だか東アフリカ沖の海底で1、2世紀ごろに沈没した巨大な船が発見され、その難破船にはローマ帝国の芸術品や秘蔵品が積まれていた。やっとこさで引き上げたものを紹介しよう──というので、海底から引き揚げたというブロンズや大理石の像、盾などの武具からジュエリー、コインなどが並べてあって、引き揚げるときの様子を撮影した写真まで展示されている。
「これってホンモノなの? それともニセモノ?」と見る者を戸惑わせるのが作者のねらいなのか?
たしかに、ブロンズ像にはサンゴや貝殻なんかが付着している
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昼食は美術館のカフェで。
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天井の梁なんかはいかにも安藤忠雄らしい。
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現代アートで度肝を抜かれたあとは、また対岸に渡ってスクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコ(サン・ロッコ大信徒会)に向かう。そこでふたたび中世の世界に浸ることにする。すごいタイムスリップ。
(つづき)