善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ペットボトル米

西武線のとある駅を降りたら、変わった自販機が目についた。「米侍」という文字が大きく浮かんでいる。近づいてとくと眺めると、お決まりの清涼飲料水とともに、ナント、ペットボトル入りのお米が売られていた。
いずれも3合入り(450g)で、それぞれのネーミングがかっこよく、魚沼産コシヒカリは「直江謙次」500円、新潟産コシヒカリは「上杉謙信」400円、宮城産ひとめぼれ「伊達正宗」380円、秋田産あきたこまち「安東実季」380円の4種類。

そういえば、最近、お米をベットボトルに入れて冷蔵庫保存する家が増えているという話を聞く。たしかにお米だって生き物だ。賞味期限はないかもしれないが、野菜などと同じに保存状態が悪ければ痛みが進み、味も落ち、当然、栄養価だってなくなっていくだろう。収穫したばかりの新米や、精米したてのお米がうまいというのも、生鮮食品ゆえであり、とてもデリケートなのがお米なのだという。
昔は冷蔵設備などなかったから、常温で置くしかなかったが、ホントは密閉容器に入れてなるべく空気に触れないようにして、冷蔵するのが一番だという。冷蔵がいい理由は、やはり酸化を抑えるためで、5℃ぐらいにが適温なのだとか。

そこでフト思い出したのが外食産業や弁当、おにぎりなどに用いられているお米のことだ。だいぶ昔に聞いた話だから今は多少はよくなっているかもしれないが、外食産業のメニューやスーパーの弁当があれだけ安い価格に抑えられるのは、超古々米の恩恵が大きいという。5年とか8年前に収穫した超古~いお米や、外米、クズ米が用いられているとなれば、おいしいお米とはまるで縁遠いはずだが、あら不思議、おいしくなる(あるいはおいしそうにみえる)魔法があるという。

マジックに用いられるのは「搗(とう)米改良剤」とか「炊飯改良剤」とかいう食品添加物で、超古米にスプレーで噴霧すると、たちまちにしてお米の白度や光沢が増し、古米特有の臭いが消えてしまうのだとか。
ある研究団体がその成分を調べたところ、成分の中にはプラスチックの原料となる石油化学製品(プロピリングリコール)も含まれていて、私たちは知らず知らずのうちに“プラスチック米”を食べさせられていることになる。

やっぱりおにぎりや弁当は、我が家の手作りに勝るものはなさそう。その意味で、自販機で売るペットボトル米は大いに奨励してしかるべきであろう。
ちなみに我が家は、一応、桐の箱の米びつを愛用しているが・・・。