善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「スタア誕生」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「ブラッカーレ(BRACCALE)2011」
イメージ 1

初めて飲むワインだ。
イタリア・トスカーナの海岸沿いに広がるマレンマでつくられるワイン。
マレンマ地区では狩猟の伝統があり、ブラッカーレとは「捕獲を始める、獲物を追う」という意味の狩りの専門用語だそうだ。
ワインの色は紫色を帯びた濃いルビー色。タンニンの味と香りが強く漂う。飲むほどに飲みやすくなる。

ワインの友で観たのは先日NHKBSでやっていたアメリカ映画「スタア誕生」。
1954年の作品。
監督はジョージ・キューカー。出演は「オズの魔法使」で一世を風靡したジュディ・ガーランド、それにジェイムズ・メイソンほか。

その他大勢の中に埋もれていた女性歌手の歌声にほれ込んだ人気絶頂の男優が、彼女の才能を見出して一躍スターダムに押し上げたはいいが自分は酒癖の悪さからか人気が落ち、ついには映画会社からクビになり絶望の淵に。その一方で彼女のほうは押しも押されぬスターになる・・・、というよくあるサクセスストーリー。この典型的パターンをつくったのはそもそもこの映画が最初なのかもしれない。(と思ったらこの映画は1937年の映画のリメイクというから、元祖はそちらにありそうだ)

ナント、途中に「インターミッション(途中休憩)」がある大作だった。「ベンハー」や「アラビアのロレンス」なみの長編作品で、上映時間は176分。ほとんど3時間近い。

映画の途中、スチール写真で話をつなげる箇所があった。
映画づくりの新しい(当時としては)手法だろうか、それにしては成功してないなと思いながら見て、翌朝になってあらためて調べてみると、もともとの映画は176分の完全版だったが、あまりにも長くて興行的にマズイというので、154分に短縮されて公開されたという。

しかし、当然のことながら監督は完全版の上映を望んだのだろう。
のちになって復活しようということになったが、フィルムは処分されたかしてすでになく、幸いなことに音声テープだけは残っていたので、スチール写真や新たに撮影した部分をつなげたりして復活させたのだという。

作品に対する監督の執念かとも思えるが、復活作品が完成したのは1983年。ジョージ・キューカー監督が亡くなったのはその年の1月。監督の死を惜しんでの復活だったのだろう。

そんなイキサツをあらかじめ知っていれば別の見方もできたんだが・・・。

ちなみにジョージ・キューカー監督は「若草物語キャサリン・ヘプバーン主演)」「ガス燈(イングリッド・バーグマン主演)」「マイ・フェア・レディオードリー・ヘプバーン主演)」などを監督していた。