善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

超高速!参勤交代 リターンズ

きのうの日曜日は松竹映画「超高速!参勤交代 リターンズ」を観るため新宿ピカデリーへ。
午後の部の座席を予約していが、劇場は人でいっぱい。いつも行く大泉学園のTジョイ大泉の混雑どころではない。さすが新宿。

午後の部とあって席は結構埋まっている。若い女性も多く、人気のほどがうかがわれる。

監督は前作同様、本木克英。出演は東北の小藩、湯長谷藩の殿さま役の佐々木蔵之介のほか、深田恭子、西村雅彦、伊原剛志寺脇康文上地雄輔、知念侑李、柄本時生、六角精児ほかで、悪役の老中役は陣内孝則 、将軍吉宗は市川猿之助、それに町奉行大岡越前はナント古田新太石橋蓮司も出ていた。
映画が終わってからのクレジットに大鶴義丹の名があり、ハテ出てたの?と思ったが、農民役で出ていたらしい。まるで気づかなかった。

映画は前作の続編。前作では、8代将軍・徳川吉宗の治世下、湯長谷藩が幕府から突然、参勤交代をわずか5日で行うよう命じられ、それを何とかやり遂げて、藩にある金山を狙う老中・松平信祝陣内孝則)の謀略を粉砕したところでメデタシメデタシ。

続編では、帰途はゆっくりかえろうと思っていたところが、留守中、湯長谷藩一揆が起こり、その責任というので改易の危機に陥り、帰路はたった2日でかえらなくてはいけなくなる。
それでリターンというわけでもあるんだろうが、参勤交代の帰路の話は早々と終わって、後半は再び謀略を仕掛ける老中・陣内孝則との一大決戦。実は藩内で起こった一揆も老中・陣内の陰謀であり、彼は将軍・吉宗の暗殺まで企んでいた・・・。

ドタバタあり(というかほとんどドタバタ)、チャンバラあり、笑いも涙もありで、前作に負けない出来ばえ。
お客さんもギャハギャハ笑っていた。

前作から今作にかけて、物語に芯のようなものが貫かれているのがよくて、それは「土とともに生きる農民こそが主人公」ということ。
悪役の陣内が「人間、生まれながらの貧富の差はやむを得ないもの」とかなんとかいってうそぶくのに対して、
われらが味方・佐々木蔵之介は「人間はみな同じだ。人とのつながりこそが大事だ」とかいって一蹴。

そして物語の最後のほうの吉宗の独り言。
「やはり世襲というのは考えものだな」
世襲で老中になった陣内のことを言っているのか?
それは世襲の権化、徳川家の自分にもかえってくるはずだが、なかなか意味深なセリフだった。

藩きっての遣い手、荒木源八郎(寺脇康文)の嫁役をした冨田靖子がなかなかいい味を出していた。
湯長谷藩のいわき弁、湯長谷藩を追い出して新たに藩主になろうとする尾張柳生家の家来たちの尾張弁と、方言満載なのもよかった。