善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

『十三人の刺客』と吉祥寺のカワハギ

日曜日の善福寺公園は曇り。風なくすごしやすい。
善福寺北児童館の真ん前にある美樹園公園にあるオチャノキ。秋に花が咲き、翌年の秋に実が熟すというのでよく見てみると、たしかにありました。お茶の実。茶色をしている。それでお茶なのだろうか。
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はじけて地面に落ちたお茶の実
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上池と下池でそれぞれ1羽ずつ、カワセミを発見。ラッキー! 上池に咲いていた黄色い花。何という名前だろう?
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きのうは吉祥寺東宝三池崇史監督の時代劇映画『十三人の刺客』を観る。1963年に公開された工藤栄一監督による同名の作品をリメイクしたもの。役所広司市村正親らが出演。

最初に字幕で語るところによると、「広島・長崎の原爆投下の100年前」というから、そんな大昔ではないはずだが、江戸時代も末の弘化元年(1844年)、明石藩江戸家老間宮図書が、筆頭老中土井利位邸の門前で訴状とともに切腹して果てる。
これがきっかけとなって明石藩主松平斉韶の異常性格と暴虐ぶりが幕閣の知るところとなるが、何しろ斉韶は将軍徳川家慶の弟。容易に処罰できかねていたが、来年には斉韶が老中に抜擢されることになったというので、幕閣もついに斉韶の暗殺を決意。
命を受けた旗本島田新左衛門は13人の暗殺部隊を編成し、参勤交代により帰国途上の斉韶一行を中山道落合宿で待ち構え、襲撃する。

どうしても話が黒澤明の『七人の侍』と似ているので、比較して観てしまう。その意味では損な作品といえなくもないが、登場人物の描き方でよかったのは、刺客のリーダーである新左衛門(役所広司)の甥の新六郎(山田孝之)。博打に明け暮れ放蕩三昧の新六郎が同居している芸者・お艶(吹石一恵)を振り切ってメンバーに加わるところ。ちなみに50年前の作品では島田新左衛門を片岡知恵蔵、新六郎を里見浩太郎、お艶を丘さとみが演じている。

最後の、13対300人の50分に及ぶ戦闘シーンはなかなか見ごたえがあった。何時間も刀を振り回し、切って切って斬りまくっていれば、さすがにみんな疲れ果て、最後は刺客のほうも次々に死んでいく。それでこそリアリズムといえよう。

映画が終わるとちょうどお昼。映画館の裏手に行き、たまたま見つけた「魚吟」という店に入る。以前、何かの帰りに一度行ったことのあるイタリアンレストランのとなり。前に通ったときもどっちにしようか迷った店だったので、ビルの2階ののれんをくぐる。

1時をチョットすぎた時間だったが、先客は1組だけ。不安になりつつも、つまみとビールにお酒を頼み、シメはランチ握り。つまみに「白エビのから揚げ」を頼んだら、これがいける。酒にピッタリ! 
ランチ握りもおいしかった。値段もリーズナブル。また行ってもいいお店。
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「魚吟」を出て、ひょいと向いを見ると「天然物専門店 魚菜屋(さかなや)」という看板。魚屋らしいのだが、店頭に魚は並んでない。プロ向きの店かな? と思いつつ店内に入ると、発泡スチロールの箱に無造作に魚が放り込まれていて、大きな水槽ではいろんな魚が泳いでいる。
一般向けの小売りもしてそうなので、殻付きの平貝の値段を聞くと300円ちょっとだという。この大きさで300円は安い。

今が旬のカワハギの活け締めに目がいき、「刺身にできる?」と聞くと、「刺身にするならこっち」と生け簀の中の魚を指さす。いくら活け締めにしてもすぐに身が硬くなるのだという。それで、できるだけ生きている魚の方が刺身にはウマイのだとか。というので、泳いでいるカワハギを1匹購入。
それがコチラ。
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キモをすりつぶして切り身と一緒に食べるとこれが極ウマ!
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なぜカワハギの旬が秋かというと、この時期になるとキモがどんどん大きくなっていくからで、カワハギのキモは“海のフォアグラ”といわれるほど。身もおいしい(カワハギはフグの仲間)けど、キモと一緒に食べると感動的な味となる。あーしあわせ!