水曜日朝の善福寺公園は晴れ。朝ははじめ少し寒かったがやがてぬくぬく。
きょう20日は春分の日。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるが、このところ三寒四温を繰り返している。
上池をめぐるが、カワセミの姿も声もなし。
あまりの静かさに、どこ行っちゃったのかと思いつつ下池に向かう途中、上池と下池を結ぶ小川(遅野井川)にカワセミ。
オスのようだが上池をなわばりにしているマルちゃんだろうか。
その後、もう1羽も飛んできて、一緒に下池方面に飛んでいった。
ヤエちゃんと仲よくエサ探しかな?
やさしい顔してるアオジ。
メスのようだ。
下池をめぐっていると、ウグイスがホーホケキョと鳴きながら移動していく。
ホーホケキョは繁殖期を迎えたオスが自分のなわばりにメスを呼ぶために鳴き、同時にほかのオスに縄張り宣言する意味合いもあり、枝にとまって高らかに鳴くのかというと、そればかりじゃない。
枝から枝へと移動しながらエサをあさっているときにも鳴いている。
水を飲みながらホーホケキョ。
エサを探しながらもホーホケキョ。
ホーホケキョと鳴くとき、のどが膨らんでいるのがわかる。
食い気も色気も、欲張りなウグイス。
下池を1周して再び小川に差しかかると、今度は濃い顔のアオジ。
オスのようだ。
すると、先ほどのカワセミも下池から上池に戻る途中みたいで、小川で途中休憩していた。
2羽が仲よく並んでとまっている。
左がメスのヤエちゃんで、右がオスのマルちゃんだろう。
何日か前までは、メスは熱心に追いかけるもののオスのほうは逃げるばかりだったが、こんなにも相思相愛になっている。
一緒に行動することで愛を育んでいるのだろうか。
やがて2羽とも上池方面に飛んでいった。
にわかに親密度を増して、見ている方も何だかうれしくなる。
公園から帰ろうとしたら、ハチジョウツグミが落葉をけちらしてエサ探し中。
冬になると日本にもやってくる渡り鳥。
夏はツグミよりやや北のシベリア北部で繁殖し、おもに中国北部あたりまで南下して越冬するという。日本にやってくるのはその中の少数といわれるが、たしかに善福寺公園でハチジョウツグミを見たのは今年が初めてだ。
ツグミは毎年やってくるが、ハチジョウツグミは来年もやってくるかわからない。
実は貴重種のハチジョウツグミ。
まれなチャンスである“ハチジョウツグミとの日々”を楽しめるのはいつまでかな?
ちなみに、従来、ハチジョウツグミはツグミの亜種とされていたが、2020年の国際鳥類学会議(IOC)で、両者を別種として分離し、ツグミはDusky Thrush(Turdus eunomus)に、ハチジョウツグミはNaumann's Thrush(Turdus naumanni)と呼ばれるようになっているのだとか。
別種だとすると、その起源は? ハチジョウツグミについての研究はまだまだこれからなのだろうか?
分からないのは「ハチジョウツグミ」という名前も同様で、名前の由来は「八丈島で最初に目撃され捕獲されたので、地名にちなんでハチジョウツグミとなった」とよくいわれるが、実はこれは間違い、との説があるらしい。
ハチジョウツグミの特徴であるおなかの赤褐色にはバラエティがあり、これを畳の数に例えて、赤褐色が完璧なものを「8畳」としたことから「ハチジョウツグミ」となったともいわれているという。
とすると、まだ成熟してなくて若造のハチジョウツグミは「四畳半ツグミ」ということになるのか?
いろいろナゾがあって楽しい鳥といえよう。