火曜日朝の善福寺公園は曇り。夜中に降った雨はやんだものの、雨の余韻か湿度が高く、曇っているのに蒸し暑く、不快指数はピンと跳ね上がっているはず。
上池を半周してから下池へ。
池のほとりでマメコガネが交尾中。
下になっているメスのほうが大きくて立派。
セミの成る木?
羽化したてのセミと脱け殻が1本の木に集まっている。
おなかは真っ白、背中も真っ白。
まずは無垢な純白から始まって、次第に色や模様がはっきりしてくるのだろう。
羽化して間もないアブラゼミの正面顔。
下池を1周して再び上池に向かう。
では朝の納涼クイズです。
幹のどこかにニイニイセミがいるんだけれど、はてどこに?
昆虫界の最強ハンター、ムシヒキアブがジッとしていた。
アオバハゴロモが行列をつくっていた。
ゴマダラチョウが花ではなくエノキの葉っぱの上に。
卵を産みに来たのだろうか。
オレンジ色の複眼と黄色い口のストロー(口吻)がくっきり。
赤い斑紋のあるアカボシゴマダラは外国から持ち込まれた外来種だが、こちらは日本各地に生息している。
関東地方などではアカボシゴマダラとの競合により減少が心配されているという。
上池をめぐっていると、イネ科植物の茎から不思議なものが伸びている。
何だろうと思ったらクサカゲロウの卵だった。
一見するととても虫の卵には見えない。
戦後の1951年の新聞に「3000年に一度の優曇華の花が咲いた」との記事が載っている。
優曇華の花は仏典に登場する架空の植物で、3000年に一度しか咲かないという。優曇華の花が咲くとそれは吉兆の印で、如来や菩薩が現世にあらわれるんだとか。
見たこともない珍しい“花”というので優曇華の花に間違われたのだろうが、実はクサカゲロウの卵。
クサカゲロウが卵を産むとき、メスはおなかの先から葉っぱの上に一滴の液を落とす。このとき液は糸状に伸びて、その先端に卵がつく。メスは同じ場所にいくつもの卵をまとめて産むが、細い糸のためにまるで卵が空中に浮かんでいるように見える。
それにしてもメスは何でこんな手の込んだ卵の生み方をするのか。
足場から離れた場所から産むことで、捕食者から食べられないようにしているとともに、孵化したあとも、赤ちゃん同士の共食いを避ける効果もあるのだとか。
クサカゲロウが卵を産むのは、ちょうど今ごろの季節。「優曇華」は夏の季語になっている。
木にペタっと張りつくようにしているのは、イモリかヤモリか。
ブーンというかなりにぎやかな羽音が聞こえるので近づくと、木の根元の虚にできたニホンミツバチの巣の入口にたくさんの働きバチがいた。
入口でウロウロしているのは門番の働きバチで、脚に花粉だんごをつけて蜜を採集してきたハチが次々に中に入っていく。
巣の中では羽音がすごい。
ミツバチは巣内部の温度を一定の温度に保っている。
暑い夏の日などは、温度上昇を防ぐため、羽をふるわせて扇風機みたいにして涼しい風を巣内に送り込む。
何百、何千の働きバチが一斉にそれをやるので、羽音も特ににぎやかになるのだ。
巣を守るため懸命に働く働きバチたち。これも夏の風物詩といえるだろう。