善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」他

アメリカ・カリフォルニアの赤ワイン「ヴィントナーズ・リザーヴ・カベルネ・ソーヴィニヨン(VINTNER’S RESERVE CABERNET SAUVIGNON)2018」

(写真はこのあと牛ステーキ)f:id:macchi105:20210904161158j:plain

ワイナリーはカリフォルニアのケンダル・ジャクソン。およそ1万エーカーの自社畑の中から選別したブドウをブレンドオバマ元大統領もお気に入りのワインだとか。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ・イギリス・フランス合作の映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」。 

2018年の作品。

原題「AT ETERNITY'S GATE」

監督 ジュリアン・シュナーベル、出演ウィレム・デフォーオスカー・アイザックマッツ・ミケルセンマチュー・アマルリックほか。

 

19世紀後半。オランダからパリに移り住み、精力的に絵を描き続けるも一向に周囲からその才能を認められずにいたフィンセント・ファン・ゴッホウィレム・デフォー)。あるとき、ポール・ゴーギャンオスカー・アイザック)と出会って意気投合したゴッホは、「南へ行け」という彼の勧めに従って陽光あふれる南仏のアルルへと移住。そこで新たな光に出会ったゴッホは、さらなる創作活動に励むようになる。やがてゴーギャンもアルルにやって来て、彼と共同生活を始めるが、やがて破綻してしまう・・・。

 

とにかく映像が美しい。まるでゴッホの絵の中にいるような風景。監督は、ゴッホの目を通して、彼が見た情景を描き出そうとしたのか。大画面で観たらさぞや美しかっただろう。

 

ゴッホが亡くなる直前に描いた「悲しむ老人」という絵に、彼は「永遠の門」という英題をつけたという。本作の題名もこの英題に由来しているのだろう。

「悲しむ老人」は1890年5月、南仏プロバヴァンスにあるサン・ポール・ド・モーゾール修道院の精神病院で療養中の作品で、顔を手で覆い悲しみに暮れる男に自らを重ねて描いたといわれる。

赤々と燃える暖炉のそばで、椅子に座った青い服の男の絶望した姿。しかし、この作品を描くに際してゴッホは弟テオへの手紙の中で、「この作品で僕が表現しようとしたのは、ミレーが信じた『かの高みにあるもの』の存在、神と永遠との存在の最も強力な証のひとつと思えるものだった」というようなことを書いている。

深い悲しみと絶望の淵にあっても(いや、だからこそ)、未来を信じる気持ちに揺るぎはない、ということを表現したかったのだろうか。

強烈な色彩で炎の画家ともいわれるゴッホだが、農民画家として知られるミレーを敬慕し、「種まく人」を始めミレーの版画や複製を手にいれては熱心に模写し、技法を磨いていった地道な努力家でもあった。

ゴッホは「悲しむ老人」を描く2年ほど前から精神的な病気に苦しんでいたといわれる。1888年の病院内での耳切り事件のあと、いったんは退院したものの、病気が再発して再び入院し療養を続けた。本作はその時期の1890年に描かれたもので、完成は彼が自殺する2か月前の5月初旬だったという。老人のように見えるが、37歳という若さだった。

きのう観た映画では自殺ではなく、撃たれて死んだことになっているが・・・。

 

ちなみにゴッホの「悲しむ老人」は、今月18日から上野の東京都美術館で開催される「ゴッホ――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」に出品されるという。

何という偶然。観に行かなくちゃ。

 

ついでにその前に観た映画。

民放のBSで放送していた韓国映画「奴が嘲笑う」

2015年の作品。

原題は「怒りの弁護士」とかいう意味の韓国語らしい。

監督ホ・ジョンホ、出演イ・ソンギュン、キム・ゴウン、イム・ウォニ、チャン・ヒョンソン、キム・ユネ、チェ・ジェウンほか。

 

大手法律事務所のエースとして、100%の確率で裁判に勝訴してきた弁護士ビョン・ホソン (イ・ソンギュン)。薬の副作用をめぐる裁判でも、その巧みな話術で製薬会社を見事勝訴へ導いたところ、その手腕を見込んだ製薬会社会長から次なる弁護依頼が入る。それは、女子大生殺害の容疑をかけられた彼の運転手の弁護だった。犯行現場には大量の血痕があるものの遺体は行方不明。裁判ではホソンの手腕で被告人有利と思われたが、それまで無実を訴えていた被告人の言葉で事態が一変する。「私が殺しました」。

やがて、事件の背後に潜む真相が明らかになるにつれ、巨大な闇の存在が彼自身を危険な罠に陥れていく・・・。

 

途中から、いったいどんな結末になるのやらと不安を抱きつつ見ていくと、最後のどんでん返しでナットク。