フランス・ボルドーの赤ワイン「シャトー・レ・オー・ド・フォンコード(CHATEAU DES HAUTS DE FONCAUDE)2015」
(写真はこのあとメインの肉料理)
ブドウ品種はメルロとカベルネ・ソーヴィニヨン。
「リヨンインターナショナルコンクール金賞受賞」の金ラベルが張ってあった。
ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「禁断の惑星」。
1956年の作品。
原題「FORBIDDEN PLANET」。
監督フレッド・マクロード・ウィルコックス、出演ウォルター・ピジョン、アン・フランシス、レスリー・ニールセンほか。
当時最新の特撮と斬新なアイデア、劇中に登場するロボットの「ロビー」など、多くの作品に影響を与えたSF映画の古典。
西暦2200年、惑星アルテア4に降り立ったアダムズ船長(レスリー・ニールセン)ら宇宙船のクルーは、20年前に消息を断ったモービアス博士(ウォルター・ピジョン)と娘のアルタ(アン・フランシス)に遭遇する。先住民族の科学遺産で何不自由なく生活していた博士は、クルーに惑星から離れるよう忠告する。しかし、それを無視した彼らは、目に見えない怪物に襲撃されてしまう・・・。
シェークスピアの「テンペスト」が下敷きになっていて、クレジットタイトルにも原作・シェークスピアとある。
多くの予算が視覚効果につぎ込まれたため出演者のギャラに予算を割けず、無名俳優の起用が目立ったといわれる。怪物が登場するシーンでは実写画面にアニメが合成され、これにはディズニーの協力があったという。
この映画で注目されるのは、特撮技術とともに音楽だろう。最初のクレジットタイトルを見ていくと「Music」という表記のかわりに「Electric tonalities」という表記があり、ルイス&ビーブのバロン夫妻との紹介がある。「Electric tonalities」とは「電子調整」という意味で、要するに電子音楽のことだ。始めから最後まで電子音が流れ、電子音のみのサウンドトラックはこの映画が最初といわれる。
ところで、映画では宇宙船にしろモービアス博士がいる惑星にしろ、動力源としていたのは原子力のようだった。
この映画がつくられた50~60年代当時、“未来の夢の動力源”ともてはやされていたのは原子力だった。しかし、それは科学的根拠にもとづくものというより、安全神話にすがってそう信じ込んでいただけのことではなかったのか。実際、映画では宇宙船の原子炉が故障したとかで、むき出しのまま運ぶシーンがあり、安全は大丈夫なのか?と思ってしまった。
そういえば、22世紀に作られたネコ型ロボットという設定の「ドラえもん」は、体内に「原子炉」を備えていて、「何を食べても原子力エネルギーになる」と説明されていた。これも“未来の夢の動力源”は原子力という発想のもとに「ドラえもん」がつくられたからだろうが、東日本大震災による原発事故のあとには、「ドラえもん」のキャラクター説明の中から「原子炉」「原子力」の表記はなくなり、単に「何を食べてもエネルギーになる」に変わったという。
100年後の未来には、一度でも事故を起こせば取り返しのつかない事態を招いてしまう原子力ではなく、より安全でクリーンでサステナブルな、まったく新しいメカニズムを持つ動力源が出現しているのかもしれない。
きょうは3月11日。東日本大震災からちょうど10年がたった。
ついでにその前に観た映画。
民放テレビで放送していたアメリカ映画「シノーラ」。
1972年の作品。
原題は「JOE KIDD」で主人公の名前。「シノーラ」は地名だ。
監督ジョン・スタージェス、出演クリント・イーストウッド、ロバート・デュヴァルほか。
マカロニウェスタンで大成功をおさめ、ハリウッドに凱旋したイーストウッド主演のマカロニじゃないハリウッド版西部劇の1つ。
ジョン・スタージェスは「OK牧場の決斗」や「荒野の七人」「大脱走」などの監督だ。
イーストウッド主演の映画はあらかた観たと思っていたらまだ未見なのがあった。
1973年の作品。
監督・脚本マイケル・クライトン、出演ユル・ブリンナー、リチャード・ベンジャミン、ジェームズ・ブローリンほか。
科学技術を駆使し、さまざまな時代を体験できる未来型のテーマパーク“デロス”。弁護士のピーターと友人のジョンは、開拓時代の西部を再現したエリアにやって来るが、コンピュータが故障し、ロボットたちが反乱を起こす・・・。
黒ずくめの“ガンマン・ロボット”を怪演するユル・ブリンナーが印象的。