土曜日朝の善福寺公園は雨で散歩に行けず。
というわけで、することがないので2、3日前に善福寺池の畔で見たカメが気になったので調べてみたら、ニホンイシガメという日本固有種のカメの子どもだったことがわかった。
形が似ているカメとしては、ニホンイシガメのほかに外来種のクサガメ、ミシシッピアカミミガメとがあるが、甲羅(背甲)のキール(稜線、つまりでっぱり)が中央に一本であること、甲羅のうしろにギザギザの切れ込みがあることなどで区別ができるという。
これに対してクサガメは中央とその両側3本のキールがあり、ミシシッピアカミミガメはキールは1本だが目の後ろに赤い線があるのが特徴。
なお、クサガメは一時、在来種とされていたこともあったが、現在は江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた外来種の可能性が高いとされている。
在来種のカメにはスッポンもあり、善福寺池にも生息しているが、在来種(ニホンスッポン)と中国・台湾から持ち込まれたものが混在しているのが現状という。
ほかに琉球諸島にも日本固有種のカメがいるが、ニホンイシガメは近年、その数が激減していて危惧されている。
これは日本自然保護協会が2014年に行った淡水に生息するカメの全国調査の結果だが、種類が確認できた6468匹のうち、外来種のミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)が全体の64%を占めていて、クサガメは20%、日本固有種のニホンイシガメは9%にすぎなかったという。今はもっと減っているだろう。
ニホンイシガメの赤ちゃんは別名ゼニガメと呼ばれる。甲羅が「銭(形や大きさから天保通宝百文銭ともいわれる)」のように見えたからといわれるが、とするなら、昔はきっと縁起のいいカメとして扱われたのではないか。
浅草・浅草寺には弁天山というお堂があり、銭亀弁天と呼ばれていたという。
奈良の信貴山・千手院には金運招福の神、銭亀善神が祀られているとか。
次は与謝蕪村の句。
銭亀や青砥もしらぬ山清水
「太平記」に出てくる青砥左衛門という武士の話が元になっている。
青砥は川に落ちた十文の銭をめぐり、「たとえ十文といえども川底に埋もれさせたのでは天下の通宝をむざむざ失うことになる。いくら費用がかかろうと拾って再び世に出せば通宝は役立つ」と、紛失した十文を探すために、たいまつ代の五十文を費やしたという。その青砥の故事にかけた作品だとか。