善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

大阪 文楽&歌舞伎&吉本の旅 その2

25日(月)、26日(火)と行った大阪・文楽&歌舞伎&なんば花月の旅、続き。

まず第1日目、なんば花月で漫才と落語、吉本新喜劇に大笑いしたあとは、いったんホテル(シェラトン都ホテル)にチェックインして休息をとったあと、夕方6時すぎにホテルを出て日本橋(ニホンバシではなくニッポンバシと読む)にある国立文楽劇場へ。

今回の旅の一番の目的が「本場の文楽を観る」だった。
何しろ大阪は文楽発祥の地。国立文楽劇場はまさに文楽ファンにとっての聖地だ。いつも文楽といえば東京・三宅坂にある国立劇場小劇場で観るばかりで、本場・大阪は初めて。出かける前からワクワクしていた。

ホテル直結の上本町駅から日本橋へはわずか1駅で、歩いても15分ぐらいというので、そぞろ歩きで出かけていく。
ほどなくして国立文楽劇場が見えてきた。
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国立文楽劇場の7・8月公演は「夏休み文楽特別公演」と銘打って第1部が親子劇場、第2部が名作劇場と大人と子どもが一緒に観劇できる演目で、第3部は夜のサマーレイトショーで井上ひさし作の「金壺親父恋達引(かなつぼおやじこいのたてひき)」。
料金は4000円で昼の「なんば花月」の4700円より安い。
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開演前に時間があったので劇場内の資料展示室で昔の資料を見る。
ちょうど「文楽の新作」と題する企画展示が開催中だった。
江戸時代の古典ばかりでなく、常に新作をつくり続けていることをこの展示で知った。
近代から現代にかけて次々と新作がつくられていて、舞台写真や道具帳、舞台模型、台本草稿、公演記録映像などで新作の世界が紹介されていた。
今回見た「金壺親父・・・」も、井上ひさしがフランスの劇作家モリエールの「守銭奴」をモチーフに文楽のため書き下ろした作品だ。
もともと昭和47年(1972)度の芸術祭参加作品としてNHKのラジオで放送され、テレビでは翌年に人形を入れて放送され、昭和61年にも改めて収録・放映されたが、文楽の舞台では今回が初上演となる。
企画展示では「文楽入門」も同時開催されていて、文楽の歴史や三業(太夫・三味線・人形)の基本的内容をスタッフが解説してくれる。実際に太棹の三味線や人形を手に持たせてくれて、とてもわかりやすかった。

いよいよ客席に入ると、東京の国立劇場小劇場より各段に広い。
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総席数753席というから、東京の590席より160席も多い。やはり本場・大阪だ。
座ったのは前から2列目の真ん中。次第に席は埋まっていって、うしろのほうに少し空席があったが、7、8割の入りだろうか。
客席の雰囲気をみて、東京とは違うものを感じた。なぜかとてもやさしい、あたたかい雰囲気が感じられるのである。これはどうしてだろう。客層は中年の方が多いが若い人もいて東京とそれほど違いはない。でも、みなさんの様子をみると、どこか普段着の感じがして、あったかみを感じるのだ。文楽が庶民の暮らしの中に根づいてきた歴史が自然と滲み出ているのだろうか。不思議な感覚だった。

舞台では主人公の金左衛門役の桐竹勘十郎が秀逸だった。
井上ひさしの台本も、とてもわかりやすくて楽しめた。

午後7時開演で上演時間は1時間10分ほど。
帰りはイッパイやろうと、劇場から歩いて10分ほどのところにある「島之内 一陽」へ。
評判を聞いてあらかじめ東京から予約しておいたのだが、ミシュランガイド星1つの店と予約したあとで知った。

8席ほどのカウンターがメインで、奥の仕切られたところに座敷席もあるらしかった。
われわれ(2人で行った)はカウンターの中央に席を取る。
まずは生ビールで乾杯。
飲んだ酒は、最初は大阪に敬意を表して「秋鹿」の純米吟醸
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その後は福井の「早瀬浦」とかいろいろ飲むが、そのたびに酒器が変わり、グラスも好きなのを選べるのがうれしい。
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つまみもいろいろ。創作料理の店らしく、メニューを見ると食欲をそそるおいしそうな料理名が刺身、焼き物、蒸し物、煮物の順にびっしりと並んでいる。問題点は料金が書いてない点。これには困った。何しろミシュラン推奨の店だし・・・。

つきだしで出たのが「ナスのゼリー寄せ」。
つきだしからして凝ったつくり。
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しかし、そこはうまいもん食べたさにいろいろ注文。
まずは注文しやすいところで「刺身の盛り合わせ」。どれも新鮮で、意外性があって(東京の人間にとってはの意味で)、それに見た目も美しく、旨い。
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タコと小芋の炊き合わせ。
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霜降り牛の辛味ダイコン添え。
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水なすとフルーツトマトの海鮮マリネ。
これも見た目も美しく、しかも柑橘類と海鮮が見事にコラボしていて、酒にもピッタリの一品。
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胡麻豆腐のおかき揚げ。
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かき揚げの「おかき」が疑問だったが、何と柿の種を衣にして揚げたんだとか。これが旨い!

いい心持ちで店を出たのがたぶん10時すぎ。
ついでに言うと料金はそれほど高くなく、意外とリーズナブルだった。
ついでに、と歩いてすぐの道頓堀へ。
そこに広がっていたのは・・・?

以下、次号に続く。