フランス・ラングドックの赤ワイン「カデ・ドック・メルロ(CADET DOC MERLOT)2018」
名門バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドが手がける赤ワイン。
メルロ100%で飲みやすい。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたイタリア・フランス映画「殺しが静かにやってくる」
(以下、ネタバレあり)
1968年制作のマカロニ・ウェスタン。
原題「Il grande silenzio/The Great Silence」
監督セルジオ・コルブッチ、出演ジャン=ルイ・トランティニャン、クラウス・キンスキーほか。
音楽はアンニオ・モリコーネ。
異色の西部劇だった。何しろ最初からラストまで雪降り積もる白銀の世界で話が進んでいく。主役のサイレンス(ジャン=ルイ・トランティニャン)は子どものころ悪者にのどを掻っ切られて言葉を発することができないので、セリフは一切なし。しかも、彼が愛用する拳銃は西部劇でお決まりの6連発ではなくて、オートマチック。サイレンスを愛するようになるヒロインの未亡人は黒人の美女。
そして何より、終わり方が衝撃的というか、とんでもない結末。
主人公だと思っていたサイレンスは未亡人ともども悪役の賞金稼ぎロコ(クラウス・キンスキー)に殺され、捕らえられた男たち十数人も縛られたまま皆殺しにされて物語は終わってしまうのだ。
エエ?西部劇って勧善懲悪なはずなのに悪者が勝者で終わっちゃっていいの?と思ってしまったが、最後のクレジットでタネ明かしがされる。
実はこの映画は1898年に起こった、多くの無辜の人たちが賞金稼ぎの餌食になって無差別に殺された「スノーヒルの虐殺」という史実をもとにつくられたのだという。
つまり、“愛される西部劇”へのアンチテーゼとしてのマカロニウエスタンがこの映画だった。
クロード・ルルーシュ監督の「男と女」で主人公のジャン・ルイを演じたジャン=ルイ・トランティニャンが、その2年後になぜマカロニウエスタンに出演したのか不思議に思っていたが、この映画の結末を見てナルホドと思った。
ちなみに、バッドエンドで終わっちゃ客は喜ばないというので、ハッピーエンドバージョンもつくられ、こちらのほうはサイレンスは殺されず、未亡人と結ばれることを予感させて物語は終わるという。