善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「招かれざる客」

チリの赤ワイン「マプ・カベルネ・ソーヴィニヨン(MAPU CABERNET SAUVIGNON)2014」
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何度か飲んでいるが、適度の渋みとさわやかな口当たり。飲みやすいワイン。

ワインの友で見たのは、昼間NHKBSでやっていたアメリカ映画「招かれざる客」。
1967年の作品。原題は「Guess Who's Coming to Dinner」。「夕食に来るのは誰なのかな?」ってな感じだろうか。邦題もいいけど、やっぱり原題のほうがシャレた感じ。


サンフランシスコでリベラルな新聞社を経営するマット・ドレイトン(スペンサー・トレーシー)と妻クリスティ(キャサリン・ヘップバーン)は、娘ジョーイを賢く育てた。ジョーイはハワイ旅行中、黒人の医師ジョン・プレンティス(シドニー・ポワチエ)と知り合い、恋に落ち、結婚を誓い合う。2人は結婚の意思を伝えるためサンフランシスコの両親の家を訪ねるが・・・。

人種差別問題を真正面から取り上げた映画。たしかに人種差別問題は今もアメリカでは今日的問題であり、ましてやこの映画が作られたた1967年はアメリカの17州で異人種の結婚は禁止されていたという。
しかし、監督のスタンリー・クレイマーのすばらしいところは、この問題を声高に叫ぶのではなく、家族の問題、愛するとはどういうことか、という普遍的なテーマに置き換え、会話劇としてドラマチックな物語に仕立てている。

なにしろそれぞれの出演者の役どころが絶妙だ。
父親のマット・ドレイトンはリベラリストとして娘の結婚を理解しつつも認めることができない。
娘は一直線に愛を信じている一方で、娘の結婚相手ジョン・プレンティスは世界的に著名な黒人医師だが、妻子を事故で失った過去を持ち、両親が反対なら結婚を断念するといっている。
マットの妻のクリスティーナは、娘の結婚に最初とまどうものの、娘の幸せを願って結婚に賛成する。
ドレイトンの親友であるライアン神父は、2人の結婚を心から祝福し、応援してくれる。
ジョンの母親は息子が白人女性と結婚することに驚きつつも、息子を信じて結婚に賛成する。
ジョンの父親は、郵便配達員として苦労して育てた息子の結婚を認めることができない。
ドレイトン家の黒人家政婦ティリー。同じ黒人でありながらジョンを認めようとしない。

これらの人々が語り合ううち、人種の違いにこだわることなく、真実の愛とは何かが浮き上がってくる。
ジョンの母親が涙を浮かべながらマットに語りかけるセリフがいい。

「男の人は年を取るとなぜ忘れてしまうの? 恋する者の情熱を」