善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

コーカサス3国旅行記⑤

コーカサス3カ国の旅4日目の13日(月)昼前にジョージア入国。
最初に訪れたのはワイン生産で有名なカヘチ地方だ。ここでは古くからワインがつくられ、その歴史は8000年ともいわれ、ワイン発祥の地という。
バスの窓から見るとどの家にもブドウの木が繁っている。

ジョージアではブドウの種類も豊富で、昔から受け継がれたブドウの種類は全国でナント500種類もあったとか。したがってワインの銘柄も多種多彩。
1軒のワイン農家を訪ね、そこで見学と昼食。
ところが、たまたまご主人が不在だとかで、床下へと続くワインの貯蔵庫はカギがかかっていて入れず。残念!
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ここでの伝統的なワインのつくり方は「クヴェヴリ」と呼ばれる。
クヴェヴリとは大型の素焼きの壺のことで、この中でワインを発酵させる。
そのつくり方を聞いて驚いた。壺の中を蜜蝋でコーティングし、その中にブドウを搾るというのだ。ガイドさんに聞いたら今もそのやり方を守っているという。

蜜蝋とはミツバチが体内から分泌するワックス成分。ミツバチはこの蜜蝋で自分たちの巣をつくる。ジョージア(に限らずコーカサス)では昔からミツバチが飛び交っていて(何しろ旅行のあいだ中、いたるところで花が咲いていた。コーカサスは花の国だった)、養蜂が盛ん。養蜂といえばハチミツだが、副産物として蜜蝋も捨てたもんじゃない。ロウソクのロウもかつては蜜蝋からつくられていた。
天然物であり、食べても害がないため、つや出しや化粧品の材料としても使われているし、蜜蝋(蜂の巣)入りのハチミツだって売られている。そこで昔のワインづくりの農家は考えた。蜜蝋をワインの醸造に利用できないかと。

蜜蝋には防腐作用があるし、水漏れを防ぐ働きもある。ひょっとして味にも関係しているかもしれない。ヨーロッパの国の多くはチーズの保存にも蜜蝋を使っているというし、ギリシャには蜜蝋でコーティングしたカラスミがあり、フランスには「カヌレ」という蜜蝋入りのお菓子もある。

クヴェヴリのワインづくりでは、蜜蝋でコーティングした壺の中に、搾り機で摘み取ったばかりのブドウを搾っていく。その際、種も茎も皮も一緒に搾るのがジョージア式という。

昼食ではこの家でつくったワインが振る舞われた。
赤ワインは非常に濃い色をしている。ラベルには「ブラックワイン」と書かれてある。黒いワインということか。見た目と違って味は意外とさっぱりしている。どこかワックスのような味がしたのは気のせいか。
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帰ろうとしたらワイン農家の家族たちが総出でみやげ物を売っていた。
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その中に変わった食べ物があった。
「チュルチュヘラ」というお菓子で、これがワインに合う。
アーモンドやクルミなどのナッツ類を小麦粉を入れて煮たブドウ果汁に浸し、天日で乾燥させたもの。ジョージアの各地でつくられるが、ワインの名産地のカヘチ地方でつくられるチュルチュヘラが最高とされる。
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その後、街を歩いていたらいろんな種類のチュルチェラを売っていた。
丸くて長い先のとがったのがソレ。
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