善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

シャネル・ピグマリオン・デイズ2014 グランドフィナーレ

きのうの夜はシャネルのネクサスホールで若手の演奏家に演奏機会を提供するプログラム「シャネル・ピグマリオン・デイズ2014」のグランドフィナーレに行くため銀座へ。

和光の前に人だかりがしていて、見ると変わったウィンドウディスプレイ。
丸いのは時計で、その上にガラスのフクロウが乗っている。バックは森の風景か。
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ブルガリのビルには巨大なイルミネーションが。白蛇なんだとか。
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ブルガリの向かいにあるのがシャネル。
シャネル・ネクサスホールの音楽プロジェクト「シャネル・ピグマリオン・ディズ」は、毎年5人ほどの若手アーティストを選んで、年間を通してソロコンサートを行う機会を提供している。今年も5人の演奏家が選ばれたが、きのうはグランドフィナーレとあって全員がそろって登場し、演奏を聴かせてくれた。
何でもネクサスホールがオープンして今年で10年になるのだとか。

この日はシャネルのリシャール・コラス社長もあいさつに立ち、流暢な日本語で「アベノミクスはいつまで続くかわからないが、このシャネル・ピグマリオン・デイズはいつまでも続けていきたい」と、ウィットに富んだあいさつをしていた(氏はフランス人で、小説家でもあるらしい)。
演奏会の最後にはきょう演奏したアーティスト5人、そして来年のシャネル・ピグマリオン・デイズの演奏者に選ばれた5人のうち4人(1人は福井でコンサートがあるとかで欠席)が壇上に並び、華やかな雰囲気となった。

この日は5人の演奏家が演奏の前、あるいは演奏の合間に一言あいさつしていたが、それぞれ個性的でおもしろかった。

ピアノの池永夏美さんは、毎回、美術館にいるようなプログラムを組み立てたそうで、きのうの曲もどこか絵画的だった。

ヴァイオリンの会田莉凡さんも1年間、チャレンジングな演奏に取り組み、イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ全曲演奏を成し遂げたという。ベランメエ調のあいさつに好感。この日のベートーヴェンの「クロイツェル」もすばらしかった。

ピアノの内匠慧さんは、だれも弾かないような曲を選んで演奏したとかで、この日の演奏曲のうちセルゲイ・リアプノフの「クリスマスの夜」は、楽譜を借りようと大学の図書館に行ったら、その前に借りられたのは19世紀だったとか。彼は英国王立音楽院に在籍しているというから、19世紀というのも納得がいく。

チェロの伊藤悠貴さんの演奏は、今年の2月、大雪の日のコンサートでも聴いている。
イギリス作品をはじめロマン派以降の作品からロシア、近現代、そして自身への献呈作品の発表や編曲にも挑んだというが、この日の演奏もとてもよかった。

バリトンの加耒徹さんは、フォーレの「夢のあとに」とか、カンツォーネの「勿忘草」とか、知っている曲を歌ってくれたので身近に感じた。

演目は次の通り。

池永夏美(ピアノ)
セルゲイ・プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ 第5番 ハ長調 作品38」

会田莉凡(ヴァイオリン) 田中麻紀(ピアノ)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「ヴァイオリンソナタ 第9番 イ長調 作品47『クロイツェル』より 第1楽章」

内匠慧(ピアノ)
セルゲイ・リアプノフ 「クリスマスの夜」
ピエール・ブーレーズ「アンシーズ」(2001年版)

伊藤悠貴(チェロ) 神野千恵(ピアノ)
フランク・ブリッジ「チェロとピアノのためのスケルツォ
セルゲイ・ラフマニノフ「14の歌 作品34-14 ヴォカリーズ ホ短調
ダーヴィト・ポッパー「ハンガリー狂詩曲 作品68」

加耒徹(バリトン) 松岡あさひ(ピアノ)
ロジャー・クィルター「3つの歌 作品3 第1番 愛の哲学」
ガブリエル・フォーレ「夢のあとに」
エルネスト・デ・クルティス「勿忘草」
ウンベルト・ジョルダーノ 歌劇「アンドレア・シェニエ」より「祖国の敵!?」