善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ヘニング・マンケル 北京から来た男

ヘニング・マンケル『北京から来た男』(上下巻、柳沢由実子訳、東京創元社

クルト・ヴァランダー警部シリーズを何冊か呼んで以来ファンになっている作家の作品。
東京創元社のHPからあらすじを抜粋すると──。

凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの小さな谷間の村でその惨劇は起きた。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんど老人ばかりの過疎の村が、なぜ?
休暇中のヘルシングボリの女性裁判官ビルギッタは、亡くなった母親が事件の村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。

殺人現場の家を訪れたビルギッタは、刑事の目を盗み数冊のノートを持ち出した。ノートに記されたネヴァダの文字。それはスウェーデンの寒村で起きたのと似た血塗られた事件が起きた土地だった。手記は1860年代、アメリカ大陸横断鉄道の建設の現場主任のものだった。19世紀の中国の寒村、鉄道建設に沸く開拓時代のアメリカ、そして発展著しい現代の中国、アフリカ。現代の予言者マンケルによる、ミステリを超えた金字塔的大作。

おもしろくてイッキに読む。
スウェーデンの裁判官の日常とか、中年夫婦のつきあい方とか、参考になるところも。
今年の海外ミステリーのいちばんの傑作といえるかもしれない。