善福寺公園めぐり

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アイルランド旅行記 その7 ドゥーン・エンガスの謎

前回よりの続き。
アラン諸島は妖精が棲む島でもある。
実際、妖精の家を見た。
奥にあるのがそれ。何軒も並んでいた。
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ここにも。
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島の人たちは妖精の存在をまじめに信じている(実際にいるのかもしれないが)。

島で見た葦葺きの屋根の古民家。
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島の南岸、大西洋に面する断崖絶壁がまたスゴイ。
古代の城塞遺跡ドゥーン・エンガスである。
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海面からの高さ90mもの断崖を背に築かれた環状の石の砦。「ドゥーン」はゲール語で「砦」の意味だとか。 
上から見るとこんな感じになるらしい。
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古代ケルト人が築いたといわれるが、こんなところにいったい誰が攻めてくるのだろうか?
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とにかく身をすくめるような断崖絶壁。柵はなし。観光客はみんな腹這いになって下を覗き込もうとしているが、それでさえもコワイ。
砦というより、やはりここでは何らかの儀式が行われたのではないか。
半円形をしている“砦”は海に面していて、ほぼ南に向いている。
もしここで太陽信仰の儀式が行われたとすれば、子午線を重視する「南面思想」があったのだろうか。中国と、中国の影響を受けた日本には、「天子は南面す」の「南面思想」があったが、まさかこれと同じではないだろう。
それより、この場所からは、冬至の日には南東の海からの日の出と南西の海への日の入りを居ながらにしてながめることができる。水平線での太陽の死と再生のドラマを見ながら、太陽信仰の儀式が行われていたのかもしれない。

島で見た花。
フクシア
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これはブラディークレンズビル(Bloody Crane's Bill)という花のようだ。
日本語では「血に染まった鶴のクチバシ」。スゴイ名前。
咲き終わると花がアサガオのように閉じて首を垂れるのでこう呼ばれるのだとか。
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ほかにも、岩の間から咲く花。生き物はたくましい。
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この島はアランセーターの発祥地としても知られる。
ケルト人である島の女性たちが編み上げた美しい模様は日本でも有名。
編み模様は家々に違っていて、それぞれ意味があり、漁に出る夫たちの安全と豊漁を祈る妻たちの願いが込められているという。
特に冬、荒れ狂う海に出かけて行く男たちには防水と防寒のための仕事着としてのセーターが必需品だった。
女たちは夫の無事を祈ってセーターを編む。少しでも風を防ぐ様にと糸を交差させ、命綱やロープをイメージした縄編み、無事と大漁を願ってさまざまな模様が作り出されていった。
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家々に編み模様が違うのは、夫が万一、遭難したとき、だれであるかが判別できるようにそれぞれの家の模様を生み出したという。悲しい願いが作り出した編み模様なのだ。
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ここでお昼に食べたロブスター。ビールはもちろんギネスビール。いや地ビールだったかな?
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