善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ナゾの葉っぱの正体は?

わが家の門扉脇の小さな植木スペースに、いつのころからかヤシの木が生えてきて、そばにもう1本、見慣れぬ木が生えてきて、葉っぱが繁るようになってきた。
いつも初夏になると急激に枝を伸ばし、葉を広げる。花をつけるでもなく、ただ葉っぱを広げるだけで、通行の妨げにもなりジャマなので、伸びたころ合いを見計らってチョン切っている。

今年も葉っぱが伸びてきて、ある日の朝、散歩から帰ってくると、やはり散歩中の犬がその葉っぱをむしゃむしゃと食べていた。飼い主は恐縮して頭を下げたが、ハテ、犬に好かれるその木とはいったい何という名前なのだろうと興味を抱いた。

幸い、いつも散歩コースにしている善福寺公園ではさまざまな木々と出会える。そこで、葉っぱを枝付きでむしり採って公園に持っていき、そこの植物と見比べてみることにした。

すると、そっくりな木が見つかった。ナント、ケヤキだった。
ケヤキの葉は互生、つまり互い違いに枝についていて、形は卵形、先は鋭く尖っている。そして縁には鋭い鋸歯がある。
こちらが公園のケヤキの葉。
イメージ 1

これがわが家に生えるナゾの葉。そっくりだ。
イメージ 2

そういえば、わが家のすぐそばを青梅街道が通っていて、ケヤキ並木になっている。
どれも大木に育っていて、葉っぱは目の届かないほど高いところにあるが、中には幹の途中から若木を伸ばしているのもあり、近寄って見てみるとわが家の葉っぱと同じだ。生えはじめの先っちょが赤っぽいところもそっくりだ。
イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

まさかあんな太くて立派な木がわが家に植わっているはずもないと思ったが、どんな木だってはじめは小さいもの。すると、わが家のケヤキは青梅街道からタネが飛んできて、芽を出したものなのだろうか。
あるいは、近くの公園にケヤキの巨木があり、そこから飛んできたのだろうか。
でも、よく考えたらこのあたりは武蔵野の雰囲気を色濃く残していて、ケヤキはあちこちの家の庭に生えている。どこからだってタネが飛んできて不思議はない。

植物にとっての子孫繁栄は、人間と同じに死活問題であり、さまざまな工夫を凝らしている。
花を咲かせて蜜を出し、昆虫を呼び寄せて花粉を媒介させるものもあれば、風に乗ってタネを遠くに飛ばすのもある。

“タネ飛ばし作戦”はいろいろあり、綿毛がついているタンポポなど多彩だが、ケヤキの場合、タネがついた葉っぱを羽にして、プロペラのように回転させて遠くまで飛ばしているのだという。

ケヤキは落葉樹なので、秋になれば落葉する。しかし、タネをつけた葉っぱだけは容易に落ちない。風のある日などにタネと葉っぱをつけたままの小枝が数10メートルぐらいは簡単に飛んでいき、強い風の日などは100メートル近くも飛ぶことがあるという。
つまり、葉っぱは最後は命をつなぐための翼として働いているわけだ。

それがわが家で新しい命を宿している。近くの善福寺をのぞいたら、ここにもケヤキとヤシの木があり、いずれもどこかから飛んできたのが、これほどまでに育ったのだろうか。
イメージ 7

ひょっとして、わが家のケヤキが巨木にまで育ったら大変だが、そうなるのは何10年も先のことだろうとは思うが・・・。