善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

写真美術館で写真三昧

正月2日朝の善福寺公園は快晴。
散歩のあと、恵比寿にある「東京都写真美術館」へ。
新宿から乗った山手線の電車は、明治神宮のある原宿、若者の街・渋谷を過ぎると途端にガラガラ。残った乗客はオジサン・オバサン、子ども連ればかり(去年も同じようなことを書いた気がする)。

写真美術館はきょうだけ入場無料とあって、けっこう混雑している。
本日は3つの写真展をハシゴ。全部ふつうに見れば数千円はするから、オトク。
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まずは「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-」展。

生涯アマチュア精神を貫き、撮ることを純粋に楽しんだ植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグの2人展。
特に植田の作品。すでに20代の前半ぐらいから、写実にとらわれず実験的写真を撮っていたのに驚かされた。若いときからの志を生涯にわたって貫いていたんだな。さすがだ。

次は「路上から世界を変えていく 日本の新進作家vol.12」

毎年、異なるテーマを決めて開催している「日本の新進作家」展。
シリーズ第12回目となる本展は「路上から世界を変えていく」をテーマに、「路上」という場所に焦点をあてて、2010年代日本の新たな視点や表現を切り開く写真家たちをとりあげている、のだとか。

5人の作家の作品が並んでいたが、おもしろいなと思ったのは林ナツミの作品。
浮遊セルフレポートといって、宅街の路地や駅のホーム、繁華街にできた空き地や食堂の中など、さまざまな場所で浮遊する自分自身を捉えた写真シリーズ。
意外な味わいがあった。

糸崎公朗の作品は、路上で撮った写真を立体的?に組み立てていったもの。「フォトモ」というんだそうだが、オモチャ感覚の作品といおうか。
あとは、路上で見るものを追っていくと最後はイモムシに至る、といったように、目を動かすようにカメラを動かしていって対象物を分割撮影し、プリントを貼り合わせてできた、いわばツギハギのパノラマ作品。
いろんな発想があるもんだ。そういう意味で新鮮。

最後は「高谷史郎 明るい部屋」展。
雲だけを撮った写真が印象的だった。
写真のタイトルも「cloud」とあるが、写真の肌合いというか色合いがなんともいえずいい。
ゼラチン・シルバー・プリントとあるから、昔ながらの銀塩モノクロ印画紙に焼き付けした作品なんだろうが、とても存在感のある見飽きない作品。雲だけが写っているのに。

おそらく魚眼レンズを使っているのだろうが、ただ空だけを動く映像で表現している作品もおもしろかった。
夜明けから日没までの空を撮った写真2万枚を連続した映像に編集したのだそうだが、これも見ていて飽きない。
刻一刻と変わる空の表情はまるで生きているみたいで(実際に生きているんだが)、それを2万枚の映像(時間にして4分間)に凝縮したことにより、生きていることのはかなさまでも表現しているように感じた。

いくらタダとはいえ、さすがに3つも写真展をハシゴすると、もうグッタリ。
帰りは近場で一休みと、「ビヤステーション恵比寿」で琥珀エビスの中ジョッキ(おかわりはハーフ&ハーフ)。
つまみはミュンヘンランチ、
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それにグリーンリーフのおつまみサラダ。
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いい気分でご帰還の昼下がり。