善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

五島美術館 近代の日本画展

日曜日朝の善福寺公園は曇り。風あり。
上池の木の上から「チョットコイ」の鳴き声。コジュケイかな?

きのう土曜日は午前中、世田谷区上野毛にある「五島美術館」へ。
6月16日まで「近代の日本画展」を開催中。

東急の創設者である五島慶太氏の美術コレクションを保存展示するための美術館。「強盗慶太」といわれるくらい企業乗っ取りなど強引な経営手法で知られた人だけに、美術品の収集にも相当の執念をもやしたらしい。

今回は、同館所蔵の近代日本画コレクションから、橋本雅邦、横山大観川合玉堂、下村観山など、明治から昭和にかけての近代日本を代表する日本画家の作品約40点が展示されている(ほかに宇野雪村コレクションの硯、墨などの文房具も同時公開)。

印象に残った作品をいくつか。

小川芋銭「夕風」
色使い、線の使い方、一目見て「ゴッホだ!」と思った。とても似ている感じ。
帰って調べたら、芋銭は1868年(慶応4)生まれで1938年(昭和13)没。ゴッホは1853年~1890年。ゴッホのほうが年上で早死にしてしまったがほぼ同時代の人。
この作品が描かれたのは1924年(大正13)で、ゴッホの没後34年がたっている。多少の影響は受けたかもしれない。

菱田春草「蓬莱の図」
春草は今、いちばん好きな日本画家。
蓬莱とは古代中国で仙人が棲むとされた仙境のことで、要するにユートピア。東の海上にあるとされ、沖縄のニライカナイと似ている。
春草は蓬莱の絵を何枚か描いているようで、この作品もその1つ。
朦朧体の極致のような絵。松の揺らぎが絶妙。

上村松園「上臈の図」
上臈とは官位の高い女性、高貴な女性のことをいうらしいが、その上臈のポートレート。美しい!
上村松園は女性の目を通して美人画を描いた人。「序の舞い」は有名で重文にも指定されているが、この絵もすばらしい。いつまでも見続けていたい。

庭園も公開しているので、見て回る。
ちょうど、多摩川武蔵野台地を浸食してできた「国分寺崖線」の上に位置する傾斜地につくられたのがこの庭園。崖線の延長上には近くに等々力渓谷もある。

基本的に崖なので、上り下りありの「健脚コース」。
五島慶太は石塔、石灯ろう、石仏なども好きだったらしく、至るところに置かれてあった。
中には石造りの昔の道路標識まで。

ちょうどアジサイがあちこちで咲いていた。
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展示室の前に植えられた松の曲がり具合が、まさに菱田春草の「蓬莱の図」に描かれている松のようだ。
(絵はもっと揺らいでいたが)
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お昼は上野毛駅そばにある「季寄 武蔵屋 上野毛店」というソバ屋へ。
エビスビールに「獺祭」の純米吟醸。(最近、都内の店で「獺祭」をよくメニューに見る)
つまみは、シラスとミョウガを和えたもの。これがウマイ!
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サクラ海老の唐揚げ。
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〆はせいろソバ。ちょっと水っぽいがそれなりの味を楽しめた。
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