善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

花祭り

近くの善福寺で今年もお釈迦さまの誕生日を祝う「花祭り」。初めて善福寺の御本尊を拝観し、甘茶をいただく。

お釈迦さまの誕生日は紀元前463年4月8日といわれている。「花祭り」の日、種々の花で美しく飾った花御堂を造り、そこに誕生仏を安置して寺院本堂の入り口や山門に置く。誕生仏とは、出生時の姿をしたお釈迦さまの像のこと。お釈迦さまは生まれてすぐ七歩歩み、右手で天を、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」とのたまったとか。お釈迦さまに甘茶をかけ、われわれもご相伴。

甘茶は、アジサイに似たユキノシタ科の落葉低木アマチャの葉を煎じてつくる甘い汁のことで、漢方では砂糖の代用として用いられる薬でもあったのだとか。

そういえば、もともとゴータマ・シッダールタといったお釈迦さま(ゴータマ・ブッタ)が悟りを開くときも、やはり甘いものが関係している。山中にこもったゴータマが草だけを食べ、ときに牛糞だけという苦行を6年間も続けた後、それでも苦悩の解決に至らず、ついに山を降りたところ、過度の栄養不足から瀕死の体になったのを救ったのが、村娘のスジャータが差し出した、牛の乳とハチミツを混ぜたおかゆ、乳がゆだった。元気を取り戻したゴータマは、菩提樹の下に座し、ついに悟りを開くことができたという。
ゴータマが仏教の開祖のきっかけとなったのは甘いものというわけだが、誕生のときにも甘茶で祝福されていたのだ。

日本でも、近世に砂糖が普及するより以前、甘葛(あまづら)を甘味料として用いていたが、甘葛とは何か諸説あって、ツタの一種であるとか、アマチャ・アマチャヅルとする説もある。

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