善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

公園の見世物小屋

2001年から杉並区善福寺地域で活動している「ラジオぱちぱち」。もともとは区立善福寺北児童館に通う学童クラブ(桃井第四小学校児童が対象)の父母会メンバーたちが立ち上げたもので、「子どもが主役」ということで「ラジオ善北こどもネットワーク」というのが正式名称。

で、ミニFMとは、電波法で許可が要らない微弱電波を発信するラジオ局のことで、この運営を子どもたちを中心に桃四小と善北児童館エリアのみんなでやろう!と始めたのが「ラジオ善北こどもネットワーク」。周波数が88・0MHzなので、愛称が「ラジオぱちぱち」。
ただ、最近はもっぱらUstreamで放送していて、ネット環境にあれば全世界どこからでも視聴できるようになった。(時代は変わるものだ)

毎月1回、第2土曜日の午前中に善北児童館から公開生放送を行っているが、番組は、サッカー好きによる放談アワー「ざけんなよ」とか、サウンドスケープ研究の第一人者による音探検「プリンセスKeikoの教えて!その音」、詩人マグーの「いちお詩、読みた詩 読ませた詩」、比較発達心理学者による動物と人の間を考える「アニマルプラネット」などなど盛りだくさん。
もう1つ、76作に及ぶ連続ラジオドラマ「黄金バット」も自慢?の番組の1つ。

11月3日から23日まで都立善福寺公園で開催中の国際野外アート展「トロールの森2012」では、ラジオぱちぱちは森の中のカフェをオープンしているとともに、パフォーマンスとして連続ドラマ「黄金バット」の実技版を上演しているが、その劇中劇でやっているのが「見世物小屋」。

実はこの見世物小屋、ラジオぱちぱちの開局時にも、放送場所となっている善北児童館主催の「子どもフェスティバル」で、1部屋をまるまる見世物小屋にしてやっていて、2001年10月の子どもフェスティバルでの「ぱちぱち一座の見せ物小屋興行」は、「ろくろ首」「のろいのフランス人形」「白井権八のさらし首」「口裂け女」。

翌年の02年10月の子どもフェスティバルでは、いつも公開放送を行っている会議室がドラキュラの館に変身し、ドラキュラとその娘の案内のもと、「透明人間」「帷子川から生け捕ってきたゴマアザラシのタマちゃん」「ヘビ女」「断頭台の露と消えたマリーアントワネット」。

今回、10年ぶりに再演となった見世物小屋だが、劇の題名は「黄金バット第76作 タイムマシン見世物小屋

善福寺池善福寺川にはその昔、カッパが棲んでいたという。そして、カッパとは、やはりこのあたりに棲みついていたニホンカワウソが化けた姿だともいう。
カワウソは「オソ」とも呼ばれ、善福寺池の源となっている「遅ノ井」という地名も、もともとはオソの棲む井というので「オソの井」→「遅ノ井」となったとの説がある。

昭和52年刊行の『杉並風土記・上巻』(森泰樹著、杉並郷土史会発行)にも「遅野井は、獺(うそ)ノ井(獺(かわうそ)が住む池)が変化したという説もあります」との記述がある。

その昔、カッパもカワウソものびのびと暮らしていた時代があった(に違いない)。それは自然が豊かだった時代であり、カワウソは川の土手に穴を掘ったりして人間を困らせたりもしたようだが、それもまだ人間が自然の一員であったからこそで、ときに化かされたり、仲良くもしていたのだろう。

しかし、ニホンカワウソはすでに何十年も目撃されておらず、ついに絶滅種に指定されてしまった。

一方、ニッポンの科学者・篠原博士が発明したジェット光線をわが物にし、世界征服を企むのが大悪人ナゾーであった。ナゾーは博士の娘マサエを誘拐しようと、善良な森の住人に変身してカワウソやカッパに会いたいと思慕を募らせるマサエに近づく。
「お嬢さん、タイムマシン見世物小屋でカッパやカワウソに会わせましょう」。
果たして、ナゾーの悪の手からマサエは逃れられるのか?
正義の味方・黄金バットは間に合うのか?・・・

今回の見世物小屋に登場するのは、
定番の「ろくろっ首」
「全長3メートルの大いたち」
「一つ目小僧」
「断頭台の露と消えたマリー・アントワネット
「UFOに乗ってあらわれたニホンカワウソ

以下の映像は18日の「トロールの森」より。
次回(最終回)は23日の勤労感謝の日

http://www.ustream.tv/channel/radio88-live

http://www.youtube.com/watch?v=n_OJ28t8mvA&feature=colike