善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

結城座 夏の夜の夢

日曜日の善福寺公園は曇り。寒さはそれほどでもない。
上池のオナガガモはわずかに2羽を確認したのみ。
下池にはまだオナガガモが多数。
ハシビロガモのオスが5羽もいた。メスの姿はなし。茂みに隠れているのか。

上池のウメがようやく満開になり、ちょうど今ごろが見ごろ。
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サンシュユも見事に咲いている。
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きのうは三鷹駅そばの「武蔵野芸能劇場」で結城座の『夏の夜の夢』を観る。
黒テント斎藤晴彦とコラボするというので去年から予約して楽しみにしていた舞台。

結城座は江戸糸あやつり人形の伝統を守る劇団。江戸時代の寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げし、それから約370年の長い年月を経て、今も活動中。国記録選択無形民俗文化財、東京都の無形文化財に指定されているのだとか。

武蔵野芸能劇場は三鷹駅北口からわずか1分のところにあるが、駅前のビルにじゃまされて最初はどこにあるかわからなかった。こじんまりとした劇場だ。
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運営しているのは「武蔵野文化事業団」という公益財団法人。会場に入ったときにもらった武蔵野文化事業団のチラシを席に着いてから広げたら、スゴイ文句。
ザラ紙のような紙に単色で印刷した安っぽいチラシなのだが、過激な文字が踊っている。

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「世界最先端の演出」ってどんな演出だろう? 何とも大仰なチラシ。

客席を見回してもう1つ驚いた。
お年寄りが圧倒的に多い。中でも女性が多かったが、杖をつき、歩くのもおぼつかないおじいさんがなんとか座席にたどりついて、熱心に見ていた。
武蔵野芸能館のファンなのか、それとも結城座のファンもだんだん高齢化してきているのか。

それはともかく、今回の公演は結城座のメンバーに加えて、斎藤晴彦宮本裕子、港大尋(音楽)が客演。
演目はシェイクスピアの『夏の夜の夢』(小田島雄志訳、加藤直脚本・演出)
『夏の夜の夢』は夏至(6月22日ごろ)の時期の民俗信仰に由来する話(だから「真夏」は間違い)。なのになぜまだ春先のこんな寒い時期にやるのか?といぶかったが、もともとは去年の8月に上演を予定していたという。しかし、震災後の節電だなんだの余波で上演が中止になり、今回、季節外れの『夏の夜の夢』となったらしい。

役者のセリフも人形の動きもどれも見事。人形と人間(斎藤晴彦ら)との共演もピッタリ息が合っていた。
ただ、もともとファンタジックなお話で、人形と人間のコラボというのでもっと幻想的な舞台を期待していたのだが・・・。

[観劇データ]
2012年3月17日
江戸糸あやつり人形 結城座
『夏の夜の夢』
14時開演
武蔵野芸能劇場
2列7番(小劇場なのでちょうど真ん中の席だった)