善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

NHKのど自慢チャンピオン大会

夕方の雑務が早く終ったので、きのうの夜はNHKのど自慢チャンピオン大会を見る。
グランドチャンピオンに選ばれたのはブラジル出身の男性。五木ひろしの「契り」を歌ったが、格段にうまかったから当然だろう。
準優勝にあたる優秀賞に選ばれた千葉県館山市の男性は、歌い出しでちょっとうまくいかず、本人も苦笑いを浮かべたが、逆にそれで肩が抜けたのか、とても味わいのある歌となった。歌った曲が「home」。応援する家族の姿が歌にダブっていた。「だれが歌っても歌は人柄や人生をあらわす」(と記憶していますが)とコメントした審査員の湯川れい子氏の言葉が印象的だった。
日曜日の昼間、時間が合えばNHKのど自慢を見るが、その魅力は出場する人の歌に、その人の人生や生活のにおいが染み出るからだろう。プロはさすがに磨きに磨いているから“生活臭”などみじんも出さないが、素人はどんなに歌がうまくても、美しく着飾っていても、やはり“地”の部分が出てしまう。それがまた“素人のど自慢”のよさでもあるのだが。
きのうの会場には、家族や友人など応援の人たちも多数やって来て、しきりに声援を送っていた。身寄りも友人もおらず一人孤独だった人は皆無だった。
チャンピオン大会に出るほど実力があれば、まわりに人も寄ってくるし、家族の仲もいいに違いない。それに、そもそも歌を歌うというのは、一人で歌うよりみんなの前でとか、みんなと一緒のほうが歌っていても楽しいだろう。すると自然と仲間の輪ができ、ワザも磨かれていく。
だが、ホントに「歌は人柄や人生をあらわす」としたら、だれの応援もなく、あるいは応援を拒絶して、それでも熱唱する人が一人ぐらいいてもいいはずだとも思った。
世の中には孤独な人だっていっぱいいるに違いないと思うからだが、そんな人はそもそもNHKが出場を許してくれないのかもしれない。