善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ラスト・ターゲット

日曜日の善福寺公園はかんかん照りでモーレツに暑い。

木漏れ日がくっきりとしていて、よくみると、丸い!
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ここも
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ここも!
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え、なんで? と思ったが、当り前のことなんだそうだ。
木漏れ日とは、地面ではすべて丸い形に映る。その丸とは太陽の形。理由はピンホールカメラの原理と同じで、木の葉の隙間がピンホール(小さな穴)の役割を果たして、地面に太陽の像が反転して映し出されるのだそうだ。

きょうは吉祥寺まで足を延ばし、吉祥寺バウスシアタージョージ・クルーニーの「ラスト・ターゲット」観る。

いきなりドハデな銃撃シーンから始まる。スナイパーを生業としているらしいジャック(ジョージ・クルーニー)は、連れの女と雪原を歩いているところを狙撃される。
一瞬の間にスナイパーを返り討ちにすると、何と一緒にいた女までも撃ち殺してしまう。
何と非情なスナイパー・ジャック。

ジャックはイタリアに渡り、身を隠して連絡を待てと指示を受ける。城塞都市の名残を残す町、カステル・デル・モンテで、アメリカ人カメラマンを装って小さな部屋に落ちつく。やがて、潜伏中の仕事として狙撃ライフルの製作を依頼される。

町の神父、ベネデット(パオロ・ボナチェッリ)と知り合い、語り合ったりもするが、あくまでも寡黙なジャック。

ある日のこと、潜伏中の寂しさを癒すために向かった先は売春宿。娼婦クララ(ヴィオランテ・プラシド)と出会うが、このクララがなかなか肉感的でいい。

クララとの逢瀬を重ねるうち、今までの孤独な人生では感じられなかった悦びを知り、クララと一緒に生きることを決意する。そして今回のライフル製作を最後の仕事にして、この世界から足を洗うと雇い主に連絡する。

街道沿いの食堂で、特製スーツケースに仕込んだ狙撃ライフルと弾丸を引き渡し、無事最後の仕事を済ませて大金の支払いを受けたジャックは、クララが待つ“聖体行列”見物に向う。しかしそこでは思いもよらぬ運命がジャックを待ち受けていた……。

ハリウッド映画とは思えないような雰囲気の映画。“大人の恋物語”という感じで、どこかヨーロッパ映画っぽい描き方。それもそのはず、監督はオランダ出身でもともと写真家だった人だとか。

けっこう人は何人も殺されるが、アクションはかなり抑えられている。最後の終わり方が悲しくて、切なくて、昔の映画の『禁じられた遊び』みたいなラスト。

「ラスト・ターゲット」というのは邦題で、原題は「The American」。イタリアの田舎町にやってきたアメリカ人、というわけで、もうちょっと心理描写が巧みで、深かったら、もっといい作品に仕上がったのにと思う。