行列ができていたパン屋さんで朝食。
店の隅っこにカフェスペースがあり、そこで食べる。
ここのパンのおいしかったこと!
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「L'atelier 116」という店で、入口には緑の葉のマークと「BIO」の表示があった。
フランスではオーガニックの店が人気らしい。
10時すぎにストラスブール駅に到着。
来たときは気づかなかったが、広場の先にドーム球場みたいなガラス張りの建物があり、それが駅だった。
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この駅は、歴史的な建造物に指定された古風な駅舎と、それを包み込むガラスのドームから成っている。古さと新しさを融合させた駅舎だった。
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2008年に鉄道関連の国際デザインコンペティションで賞を獲得したんだそうだ。
ホームで待ってると列車がやってきた。
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ヨーロッパの列車は何のアナウンスも発車のベルもなく時間がくるとスーッと発車するのが常だが、ここではピーッという音のあと発車。各駅を出発するときも同じだった。
この日めざすのはロンシャン。
11時44分にミュールーズに到着し、12時20分発のベルフォート行きに乗り換え。ベルフォート着は12時56分で、さらに13時35分発の列車に乗り換えてロンシャン着は13時55分。
この日も、のんびりローカル列車の旅だった。
ロンシャン駅に到着すると、今晩泊まる宿のオーナーらしき男性が車で迎えに来てくれた。
駅から車で数分でホテル着。
「La Maison D'hôtes du Parc」というプチ・ホテルで朝食つき。
花と緑に囲まれた、何ともステキなホテルだった。
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オーナーさんは上品な感じの人で、しかも長く伸びて手入れが行き届いた立派なアゴヒゲをしている。「見事ですね」とほめると、帽子をとって「頭はこのとおり」とピッカピカの頭を見せてくれた。
ホテルのチェックインは午後5時なので、荷物を置いてもらって、午後2時すぎ、いよいよ今回の旅の目的のひとつでもあるロンシャンの礼拝堂をめざす。
ホテルから歩いて20分ほど。エンエンと坂を登っていって、ロンシャンの村外れの小高い丘の上にあるのがル・コルビュジエ設計のロンシャンの礼拝堂。正式名称NOTRE‐DAME DU HAUT(ノートルダム・デュ・オー)。
12世紀のころ、ヨーロッパで聖母マリアを崇拝する動きが強まり、各地にノートルダム寺院が建てられた。中でも有名なのが、火災で尖塔が焼失したパリのノートルダム寺院だが、ここロンシャンで建てられたのはチャペル、巡礼のための礼拝堂だった。
長く人々の祈りの場となってきたが、第2次世界大戦の際にナチス・ドイツの空爆で破壊されてしまい、戦後になって再建されることになり、ル・コルビュジエに設計が依頼され、1955年に竣工したのが今の礼拝堂だ。
礼拝堂というからもっと小さなものを想像していたが、意外と大きな建物だった。
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外観は今まで見てきたキリスト教の教会とはまったく異質なものだった。
何より、複雑な曲面と丸みをおびた形が変わっている。
打ちっ放しのコンクリートとスタッコ(石灰)仕上げでできた厚くて白い壁。カニの甲羅をモチーフにしたといわれるシェル構造の屋根。上方向に反り返った形をしていて、壁に仕込まれた柱がうねるような形の薄い屋根を支えているのだという。
まずは外観をひとめぐり。
北側に入口がある。
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東側。真ん中の小窓の中に聖母子像。
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太陽の日差しが注ぐ南側。大小さまざまな窓がランダムに配置されている。
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北側の入口から中に入る。
湾曲した天井。
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南側の窓からはさまざまに光が差し込んでくる。
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東側には、この礼拝堂に冠されたノートルダムの名が示すように、ガラス窓に埋め込まれた聖母子像が外光をバックにして置かれてある。
おそらく朝日が昇るころ、聖母子の背後から朝の光が差し込んでくるようになっているのだろう。
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この聖母子像は18世紀のころの旧礼拝堂のときからあったという。
聖母子像の写真。絵はがきで売られていた。
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もともと礼拝堂の建設労働者の住まいとして建てられ、今は巡礼者の家と呼ばれている建物。屋根は植生がされていて、上から見ると自然の中に建物が溶け込んでいるように見える。
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2011年には礼拝堂の近くにクララ女子修道会の修道院と見学者を迎えるゲートハウスが建設された。設計したのはポンピドゥーセンターや関西国際空港旅客ターミナルビルなどの設計で知られる建築家のレンゾ・ピアノ。
クララ女子修道会はアッシジのクララ(フランシスコの説教に感銘して最初の女弟子になったイタリアの聖女。そういえば以前、旅行でアッシジを訪れた際、クララつまりイタリア語でキアーラの墓所があるサンタ・キアーラ教会に行ったことを思い出す)
修道院とゲートハウスは礼拝堂の景観を損なわないよう、なだらかな斜面の下、地中に埋まる形で建てられている。だから礼拝堂がある丘の上からはまるで見えない。
地中にはあるものの外に面しているところは全面ガラス張りになっていて、中は明るい。
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5時すぎホテルに戻る。
部屋の窓を開けるとすぐ下に花が咲いていて、ハナムグリらしいのが蜜を吸いに来ていた。
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ホテルのオーナーが勧めてくれたレストランで夕食(親切なことに車での送り迎えもオーナーさんがしてくれた。何しろレストランまでは3㎞も離れている)。
「Le Rhien」というホテルに併設されたレストランのテラス席。
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温かいフォアグラ。これがウマイ!
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牛のタルタル。
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もちろんビールにワイン、ほかにアボカドとハムのサラダ。
かくて旅の5日目も終わる。