善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「ミッドナイト・ラン」

フランス・ラングドックの赤ワイン「カデ・ドック・ピノ・ノワール(CADET DOC PINOT NOIR)2017」
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バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がラングドック・ルーションで手がけるワイン。たまに飲むが飽きない味。ピノ・ノワール100%。

ついでに数日前に飲んだのがやはりフランス・ボルドーの赤ワイン「シャトー・ジレ・ルージュ(CH.GILLET ROUGE)2016」
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オーナーのナドー家は5世代に渡ってワインを造る老舗シャトー。メルロ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン10%。

ワインの友で観たのはNHKBSで放送していたアメリカ映画「ミッドナイト・ラン」。
1988年製作。
監督マーティン・ブレスト、出演ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン、ヤフェット・コットーほか。

コメディータッチのロードムービー
ロバート・デ・ニーロが若い。何しろ今から30年も前の映画。

「ミッドナイト・ラン」とは「一晩で終わる簡単な仕事」「仕事は簡単」「ちょろい仕事」というスラングなんだとか。
映画も最初はそんな話で進んでいくが、ところかどっこい、というストーリー。
そういえば今読んでいる小説は「拳銃使いの娘」という邦題だが、原題は「SHE RIDES SHOTGUN」。
直訳すれば「ショットガンに乗る」だが、「助手席に乗る」という意味のかなり下品な部類のスラングだという。
きっと、ホントはうっかり口にできないような言葉なんだろう。

それはともかく・・・。
ある事情からシカゴ警察を退職し、賞金稼ぎとなったジャック(ロバート・デ・ニーロ)は、マフィアの金を横領した会計士マデューカス(チャールズ・グローディン)をNYからロスに連れ戻す仕事を引き受ける。
飛行機に乗るはずだった2人は、ひょんなことから列車でロスへ向かうことに。
組織とFBIの両方に追い回されながら、やがて2人の間には奇妙な友情が芽生え始めるが…。

2人の“逃避行”の最中、ジャックが別れた妻の家を訪れるシーンが泣かせる。
ジャックはシカゴの警官時代、警察署内では当たり前になっていたマフィアからの賄賂を拒否して警察を辞め、離婚した過去がある。しかも別れた妻の今の夫は、ジャックに代わって賄賂をもらった元同僚であり、今は警部に昇進しているという。

マフィアやFBIに追われているジャックと会計士は路銀がなくなり窮地に立つ。
そういえばこの近くに元妻の家があるとジャックが打ち明けると、会計士は「だったら寄って行こう。奥さんも会いたいんじゃないか」という。
それで2人は訪ねていくが、突然の訪問に驚く元妻。そして、別れた妻と今の夫の間には小学生らしい男の子が生まれていた。

事情を話して「金を貸してくれないか」と頼むと、「今はこれだけしかないの」と20ドルを渡される。ガッカリすると、元妻は「車を貸してあげるわ」という。
そこに、奥の部屋から一人の少女があらわれる。
ジャックと元妻の間にできた娘だった。
きっと長い間、父と子は会ったことがなかったのだろう。
「今、何年生?」と聞くと「8年生になった」と答える。
日本でいえば中学生というところだろう。
ジャックは娘の成長に目を見張り、感極まって抱きしめる。娘も抱き返す。
2人の会話はほとんど、これだけ。

別れを告げたジャックは20ドルと借りた車のキーを持って外へ出る。
すると家から娘が走り出てきて、言う。
「パパ、子守をしてためたお金が120ドルあるわ。これを持っていって」
「これはもらえないよ」とジャック。
そして車で去って行く。

親と子って何だろうと考えさせるシーンだった。
たった数分のあのシーンが、今も脳裏から去ろうとしない。