善福寺公園めぐり

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プーシキン美術館展

上野の東京都美術館で開催中の「プーシキン美術館展-旅するフランス風景画」をみる。

モスクワのプーシキン美術館はフランス絵画のコレクションで知られているという。
その中から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日、公開されている。

プーシキンといえばロシアの国民的詩人であり、この美術館はプーシキンの没後100周年を記念して彼の名を冠するようになったという。
プーシキンといえば現代ロシア語の確立者とされている人。
彼が生まれた当時、ロシアの貴族はこぞってフランスに憧れ、貴族間で話す言葉はロシア語じゃなくてフランス語だったという。ロシア人のフランス絵画好きもそのころからかもしれない。
それで珠玉のフランス絵画をたくさん保有するようになったのだろう。
しかし、フランスびいきはゴメンとロシアの言葉で文学作品を書き、文学を国民のものにしようと取り組んだのがプーシキンだった。

それはともかく、展示されている65点はなかなかいい作品ぞろいだった。
初来日となるモネの「草上の昼食」(1866年)とかロラン、ブーシェ、コロー、ルノワールセザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品もすばらしかったが、知らない画家の作品の中にもいいのがあった。

たとえばジョルジュ・レオン・デュフレノワの「パリの広場」(1907年)なんか、街が揺れている!

本展の目玉はなんといってもモネの「草上の昼食」だろう。
印象派の誕生前夜、26歳の若きモネの渾身の作だが、発表に当たってはいろいろいわくつきの作品でもある。

しかし、ワタシ的に一番よかったのはアンリ・ルソーの「馬を襲うジャガー」(1910年)。
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襲われている馬がジッとこちらを見ている、その瞳が何とも魅力的ではないか。