善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ

新宿ピカデリー山田洋次監督の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」を観る。
日曜日の第2回上映に行ったが、8分ぐらいの入りで、爆笑の連続だった。大声で笑える、喜劇はこうあるべし。
あるいは新宿ピカデリーだからこそ、大声で笑う人が多いのか?

今回の主役は、平田家の長男・幸之助の妻・史枝(夏川結衣)。熱演だった。
彼女がコツコツ貯めていたへそくりがドロボーに盗まれてしまった。
「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と心ない言葉を口にする幸之助の姿に史枝の我慢が限界に達し、ついには家を飛び出してしまう。掃除、洗濯、朝昼晩の食事の準備など、これまで平田家の主婦として史枝がこなしてきた家事の数々をやるハメになった平田家の人びとは大混乱となるが……。

昔からあるテーマだが、実にうまくつくっていて飽きさせない。
そしてこの問題が、決して古くさい問題ではなくまさに今の問題であることを教えてくれる。
山田監督は1931年生まれの86歳。クリント・イーストウッド監督は1930年生まれの87歳。
映画づくりのうまさでは(単に技術という意味ではなく)両者とも共通しているところがある気がする。
人間って年齢じゃないんだなー。いや年を重ねたからこそなのかもしれない。
 
ときどき「男はつらいよ」のモチーフが出てきて、懐かしく思ってしまう。

そういえば史枝は家出して自分のふるさとに帰るのだが、そこの造り酒屋の主人は「男はつらいよ」で団子屋の三平ちゃんをやっていた役者だった。
あのころは若かったのに、今はいいオジサンになっていた。
男はつらいよ」の最終作、第48作が上映されてから20年以上たつんだもんなー。