善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ハナミズキの花は花じゃない問題

火曜日朝の善福寺公園は快晴。気温もちょうどいい。

きのういた4羽のキンクロハジロの姿が見えない。
今度こそ北へ帰ったかな?

公園入口の白いハナミズキが満開。
上池の広場にも2本のハナミズキの木があり、こちらは薄紅色の花を咲かせる。
よく見ると変わった花の咲き方をしている。
4枚の花びらが糊付けしたみたいにくっついている。
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横からのぞくと、雄しべ雌しべらしきもののが見える。
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いったいどーなってんの?

実は「薄紅色の・・・」と歌にもうたわれるハナミズキの花びらはホントは花ではない。
じゃーなんなのといえば、葉っぱである。
「総苞(そうほう)」というそうだが、「花序」と呼ばれる小さなホンモノの花を包む葉っぱのこと。
花粉を媒介する虫を呼び寄せるため、美しい花びらを“偽装”しているのだ。
受粉の準備が整うと、“糊付け”したところがはがれてホンモノの花があらわれる。

総苞が開いたところ。
いくつもの丸い突起が出ているが、これが花芽。
その中からホントの花が開花していた。
緑色のちっちゃな花びら。中から4本の雄しべが突き出ている。
やがて真ん中から雌しべが伸びてくるのだろう。
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花びらに似せた総苞で虫を呼び寄せる戦術をとっているのはほかにもいろいろあり、ヤマボウシドクダミなんかも同じだという。
なかなか手の込んだことをしているね。

池のほとりをバンが歩いていた。
長い脚を上手に折り曲げて葉っぱをついばんでいた。
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これもよく見ると、ヒトの足の折り曲げ方と違う。
歌舞伎座の緞帳に日本画家の上村淳之作の「水辺の四季」というのがあり、水鳥の脚の曲げ方がヒトとは逆でおかしいなと思ったが、バンの足の曲げ方がまさにあの絵と同じだった。さすが日本画の大家。上村淳之は実は正確な描写のもとに描いていたのがわかった。

フジの開花が進んでいた。
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善福寺公園で今年初めて虫を発見。
すでにチョウは何度も見ているから、カメムシ発見というべきか。
ツマグロオオヨコバイ。
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尾っぽの方が黒いのでツマグロ、逃げるとき横に逃げるのでヨコバイというらしい。
細長い体とやや緑がかった黄色の色彩から別名「バナナムシ」とも呼ばれるそうだ。
セミみたいな飛び方をしていた。