善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「英国王のスピーチ」

イタリア・トスカーナの赤ワイン「アルパ・カベルネ・ソーヴィニヨン(ARPA CABERNET SAUVIGNON)2015」
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フィレンツェから南に車で1時間ほど行ったところにあるイル・ボッロ村。
ここはフェラガモ・ファミリーが11年の歳月をかけて完成させた田園リゾートだそうで、中世トスカーナの農村そのままに修復されているのだとか。
この村にはワイナリーもあり、その名もイル・ボッロ。
「アルパ」とはイタリア語で楽器のハープのことだそうだ。

去年、イタリアを旅したときイル・ボッロのあたりも回ったはずだが、行きそびれたみたい。

ワインの友で観たのは昼間NHKBSで放送していたイギリス映画「英国王のスピーチ」。
2010年の作品。
監督トム・フーパー、出演コリン・ファース、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェフリー・ラッシュ

吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世コリン・ファース)と、その治療にあたった大英帝国構成国、早い話がオーストラリア出身の平民である言語療法士ジェフリー・ラッシュ)の友情を史実をもとに描いた作品。

随所にクラシックの曲が流れるが、特に物語のクライマックス、1939年9月、ドイツに宣戦布告して第2次世界大戦が始まった日、大英帝国全土に向けて国民を鼓舞する演説をラジオ放送で行う場面では、ベートーヴェン交響曲7番がバックで使われていて、なかなかドラマチックで効果的だった。
あれっ、ベートーヴェンって敵国ドイツの出身じゃなかったかな、とも思ったが、要するに憎いのはドイツじゃなくてヒトラーのナチズムだといいたかったのだろう。

国王であるジョージ6世(その前のヨーク公アルバート王子時代も含めて)がとても人間的に描かれている。吃音を治すため奥さんと言語療法士の家に行くときもお付きとか警備なんかつけずに2人っきりで行っている。
日本の皇室だったらあり得ない話。
それは、イギリス王室はそもそもみんな人間だからで、一般人と平気で握手だってできるからだろう。
しかし、日本の天皇は70年ちょっと前までは人間ではなく神として崇められた(そういうふうにさせられた)という歴史がある。
戦後になって人間宣言したものの、いまだに昔の空気がそのまま残っているからではないのか。