金曜日朝の善福寺公園は快晴。きのうと同様、朝は寒いが次第にあたたかくなる。
上池をめぐっていると、ヤエちゃんらしいメスのカワセミ。
その後の情報では、マルらゃんらしいオスと並んでとまったりしていたらしい。
エナガの巣づくりが真っ盛り。
オスとメス、2羽で仲よく巣の材料を集めていた。
シロハラは相変わらず落葉をかき分けエサの虫探し。
アオジが忙しそうに飛んでいた。
ツバキの花から花粉がいっぱい出ている。
よく見ると、ツバキの花びらに小さな穴が開いていて、周囲に花粉がたくさん落ちている。
これはおそらく蜜を吸いにきたメジロが開けた穴に違いない。
蜜を吸おうと花びらにメジロがとまってできた傷跡、メジロがやってきた痕跡(こんせき)だ。
この穴には、ツバキとメジロの生存のための互いの戦略が隠されている。
同じツバキの仲間で似たような花を咲かせるサザンカとツバキ。
似たもの同士なのに、それぞれ花の咲く時期も、咲き方も違うのはなぜか?
植物がなぜ花を咲かせるかというと、花粉を運んでくれて子孫繁栄に貢献してくれる虫や鳥を呼び寄せるためであり、虫や鳥に働いてもらう見返りが甘い蜜というわけだ。
サザンカは、鳥にも花粉を運んでもらうが、それより虫に働いてもらうことが多いので虫媒花といわれている。
その証拠が花の咲く時期だ。
サザンカは虫が活動している秋の終わりごろに咲く。冬になると多くの虫は死んでしまうか活動しなくなるので、花が咲くのは初冬のころまで。花の向きも上向きに咲く。虫が訪れやすくするためだ。
一方、ツバキは、恒温動物である鳥は厳冬期でも飛んできてくれるので、冬に花を咲かせる戦略を採用した。
ただし、虫よりも大きくて体重もある鳥にきてもらうため、ツバキは花の咲き方に工夫を凝らした。
サザンカは咲き終わると花びらが1枚1枚散っていくのに対して、ツバキの花びらは根元でくっついていて、また、数十本ある黄色い雄しべの根元も花びらとくっついている。
これにより、花は丈夫な構造となっていて、体の重い鳥がやってきても平気だし、横から鳥につつかれて蜜だけを横取りされることはなく、鳥が蜜を吸うためにはくちばしを花の中に差し込むほかなく、このとき花粉も鳥につっついて媒介の役目を果たすことになる。
ツバキの花びらの小さな穴は、蜜を吸うためにやってきたメジロがとまった穴だったのだ。
同じように花の蜜が好きな鳥にヒヨドリがいるが、体の重いヒヨドリはなかなかツバキに上手にとまれず苦労しているのをよく見る。
これに対して、身軽なのがメジロで、花びらにとまっても花が落ちることはなく、メジロは悠々と蜜を吸うことができるというわけだ。
また、ツバキの花はやや下向きの斜めに咲くのが特徴。これにより、鳥はゆっくり蜜を吸うことができないので蜜だけを奪われないようにするツバキの工夫といわれるが、花びらにとまるメジロにとってはむしろ好都合なのだろう。