木曜日朝の善福寺公園は曇り。風はなく、気温もそれほど低くないが、日差しがない分、寒い。
公園に着くと、さっそくルリビタキがお出迎え。
ほんの一瞬だったのでちょっとピンボケ。
すぐにいなくなったと思ったら、少ししてまた現れた。
しかし、これもたちまちにして飛び去っていった。
きのう、ルリビタキはメスとオスの若鳥では色合いが似ていると聞いたので、果たしてメスなのか若オスなのか、と帰ってから改めて撮った画像を見てみるが、まるでわからない。
実は、ルリビタキの最大の特徴は、若いオスが繁殖可能であるにも関わらず、メスに似たオリーブ褐色の外観をしていることなんだそうだ。
ルリビタキのオスの特徴は羽が美しい青色をしていることだが、そこまで派手な“青い鳥”になるまでには2年以上かかるのだという。
中にはとても色鮮やかな青色になっている“5年もの”の成鳥もいるらしい。
しかし、ルリビタキは巣立ってから1年目でもう繁殖する。若オスはメスととてもよく似た色彩なので、「メスだけで繁殖してるのか?」と見間違えることもあるほどだという。
このような、成長した鳥の羽の色の発現が遅く現れる現象を「Delayed Plumage Maturation (DPM)」といっていて、日本語では「遅延羽色成熟」とか「羽色成熟遅延」とかいっているらしい。
鳥の中で、こんな現象が現れる鳥はあまりいないのだそうだ。
では、なぜルリビタキのオスはこんなことをするのか?
仮説として考えられているのが、若いオスがメスや幼鳥に体を似せることで、力の強いオスとの闘争を避ける目的があるのではないか、ということだ。
つまり、ルリビタキの体の色は、闘争するか否かを決めるサインになっているのではないかというのだ。
メスや幼鳥と変わらない色であると示すことで、年上のオスに対して「自分は弱い立場なんだからお手柔らかに」と一歩引いて接すれば、相手も縄張りを守ろうとする敵対意識が多少鈍り、「少しぐらいいいだろう」という気になるのかもしれない。
武力対武力で全面対決に発展するのではなく、「見た目」という形での外交努力で無用な領土争いを避けようとする、生き抜くための知恵が生んだ作戦なのかもしれない。
何でも武力に訴えようとする人間に聞かせたいルリビタキの生き残り術ではないだろうか。
いずれにしろ、ほかのオスに見分けられないようにメスと同じ色合いにしているのだから、人間が見分けようとしても土台無理な話なのかもしれない。
けさも上池には文二くんらしきオスのカワセミ。
胸を張って威張ってるみたいに見える。
こちらでもツグミが威張ったポーズ。
地面におりてエサを探しているのはオスのモズ。
少し高いところの枝に移って、地面をジッとにらんでいた。
下池に回ると、満開のカワヅザクラにけさもメジロがやってきていた。
ヒヨドリが飛んできて、水を飲み始めた。
飲んでいる姿が鏡のように水面に映っていた。
再び上池に向かう途中には、ジョウビタキのオス。
2羽でいるところをよく見るようになった。
水辺ではひとりもの?のキセキレイ。
樹上から見下ろしているのはシメ。
上池に戻ると、三郎らしきオスのカワセミ。
センダンの木にヒヨドリがたくさんやってきて実をついばんでいる。
まるでヒッチコック監督の「鳥」に出てくるシーンみたいだった。