日曜日朝の善福寺公園は、はじめは雨が降りそうな(実際、ポツポツあった)暗い雲に覆われていたが、帰るころになると抜けるような青空に一変していた。
上池を半周して下池をめぐっていると、けさもオオバンのカップルが仲良くエサ探し。
2羽で盛んに潜りっこしている。
実はオオバンは潜水が得意。
水に浮いているとわからないが、オオバンは、やはり潜水が得意なカイツブリなどと同じ弁足という潜水に適した足をしている。
カルガモなどはいわゆる水かきが指と指の付け根に膜が張ったようになっているが、弁足は付け根からではなく、指の各関節の横から膜が広がっている。そのため水中を泳ぐときに水の抵抗が少なくてすむのだろう。
ただし、同じ弁足のカイツブリは足が体の後ろの方に位置しているので、潜水は得意でも地上を歩いたりはしない、というかできない。
ところがオオバンは、潜水も得意だが平気で陸に上がって、歩きながらエサを食べる。
一方、オオバンと同じクイナ科で見た目もそっくりのバンは、水中に潜るところを見たことがない。泳ぐこともできるが、むしろ陸上を歩く方が得意のようだ。
陸に上がったバンを見ると、体の大きさに比べて大足で指が長いが、弁膜は見あたらない。
だから泳ぐのもあんまり得意じゃなくて、泳いでいるときは首を盛んに前後させて一生懸命に足を動かしている。
このように、同じ水鳥でも、それぞれに適した生き方を選んだ結果、生活スタイルはそれぞれに違いがあるようだ。
池の端のほうにはサクラらしいメスのカワセミ。
なぜが上空の一点を見つめたまま動かないでいる。
おかげで、後ろから、真ん前から、横からと、さまざまなポーズを観察できた。
つぶらな瞳で、いったい何を気にしてるんだろう?
ワカケホンセイインコの群れが公園にやってきていた。
本来はインド南部やスリランカに生息している緑色の鳥。日本に飼い鳥として持ち込まれたものが逃げ出したりして、1960年代以降、関東地方などで野生化し始めたと考えられていて、今では全国各地で生息が確認されているという。
サクラの季節になると、花を噛みちぎって蜜だけ吸いポイと捨ててしまうので、“花散らしの鳥”でもある。
上池に戻ると、雨の名残か、水滴の花が咲いていた。
三郎らしいオスのカワセミ。
その近くには文二らしいオスのカワセミ。
ちょうど両方のテリトリーの境界線のあたりで、互いに「ここから先へは行かせないぞ」といいあっているのか。
公園からの帰り道、ムクドリが柿を食べにやってきていた。
足を枝に絡ませ、精一杯、体を伸ばして柿をつついていた。