夜来の雨で公園散歩は断念。
テレビの気象情報を見ていたら、あさって10日は中秋の名月の十五夜という。
とすると、きょうは十三夜。
沖縄の石垣島では、毎年この日の夜に八重山を代表する民謡「とぅばらーま」だけを歌ってその歌唱と作詞の出来ばえを競う「とぅばらーま大会」が開催される。
なぜ十五夜ではなく十三夜なのか。
ある説によると、十五夜が中国伝来の風習であるのに対して、十三夜は日本で始まった風習であり、秋の収穫を終えて、月が最も美しく輝くとのは十三夜、という。
「とぅばらーま」の中にもこんな歌詞がある。
「つぅきぃぬかいしゃやとぅかみぃーかつぃきぃ(月の美しいのは十日三日の月)みやらびかいしゃやとぅーななつぃぐる(乙女の美しいのは十七のころ)」
しかし、琉球王国の時代から中国との結びつきが強かった沖縄でなぜ日本古来にこだわるのか、首をかしげたくなる。実際、第1回の「とぅばらーま大会」は終戦の翌々年の1947年、旧暦の8月16日、つまり十六夜に開催されている。要するに十五夜の前後に開催しようというので、結局、十五夜の前祝いとしての十三夜に落ち着いたのかもしれない。
ちなみに「とぅばらーま」の意味は諸説あるが、与那国島の方言に動詞の「とぅばるん」があり、これは「会う、出会う」の意で、転じて「男と女が逢い引きする」にも使われていて、「とぅばるん」に接尾語の「ま」を添えて転化したのが「とばらーま」である、という説がある。
もともと「とぅばらーま」は野良で働きながら自分の思いを歌にして相手に送り、相手が歌で返してくれるという恋の掛け合いの歌だったというから、「逢い引き」説を支持したいな。