火曜日朝の善福寺公園は秋晴れ。清々しい朝。
きょうは中秋の名月。一年で一番美しいとされる「十五夜」の月だ。
旧暦では秋は7、8、9月で、それぞれ初秋、中秋、晩秋と呼ばれる。9月は中秋であり、旧暦の8月15日の夜の満月が中秋の名月。
しかし、暦と実際の月の満ち欠けには誤差があり、必ずしもこの日が満月になるとは限らないのだが、今年は8年ぶりに中秋の名月のきょうが満月という。
中秋の名月で思い出すのは沖縄・石垣島の「とぅばらーま大会」。
「とぅばらーま」は八重山諸島を代表する民謡の1つで、毎年、中秋の名月にあわせて石垣島でこの歌のうまさを競うのど自慢大会がある。けさのNHKのニュースでは、コロナ禍のため今年は無観客で開催されたという。
同じ曲だけの歌唱コンテストとしては北海道の「江差追分大会」があり、こちらは1963年(昭和38年)が第1回だが、「とぅばらーま大会」は1947年(昭和22年)が第1回。米軍統治下にあっても沖縄の人々はふるさとの歌を守り続けている。
石垣島の「とぅばらーま」大会の場合、メロディーはみんな一緒だが、歌詞を自由に変えてうたっていい。「とぅばらーま」の元歌は恋の歌であり、こんな歌詞がある。
紺染や藍しどぅ染みる かぬしゃとぅばんどぅや 肝しどぅ染みる
(紺染めは藍でこそ染める 貴女と私とは心で染まる)
川ぬ水や海にどぅたまる 我んが思いやうらにどぅ染まる
(川の水は海に溜まる 私の思いはあなたにこそ染まる)
ときに高く、ときに低く旋律の起伏を繰り返しながら、独特の節回しでうたう「とぅばらーま」は名月にこそぴったりだ。
と、ヘタなウンチクが長くなったが、けさも善福寺池には4羽のカワセミ。
まずは上池のカワセミ。
オスとメスの2羽が、比較的近くで見つめ合って?いた。
恋の歌でもうたってないかな?
離れたところに若造のカワセミ。
下池では、メスらしい1羽が近くまできてくれていた。
池の中のポールの上にポツンとなぜかカマキリ。
そんなところにエサとなる虫はいないのに。
そう思って見ていると、キッとこっち向いて「見~た~な」。
名月に合わせてか、キキョウの花が1輪。
帰り道、たわわに実った柿が、早く食べてといってるみたい。