木曜日の善福寺公園は朝方雨。やむのを待って出かけていく。
ヒラヒラ舞っていたアゲハが地面におりて吸水を始めた。
アゲハも雨がやむのを待っていたのか。
するとこちらにも雨を待っていたらしいチョウ。
ヒラヒラ飛んでいたのが公園の掲示板の裏にとまって、最初はオズオズという感じで翅を開いていたが、やがていっぱいに翅を広げた。ここなら安全と思ったのか。
ルリタテハだ。
濃紺の地色にルリ色の筋と白い斑紋。
樹液などを吸うため木にとまったり、葉陰に隠れるときは翅を閉じる。すると翅裏の模様は樹皮そっくりで、敵に襲われないように擬態しているのだが、翅を広げたときはこんなに美しい。
雨上がりの曇り空でも、少しでも太陽の日差しを浴びたいのか、それとも恋の相手を呼び寄せているのか?
翅をいっぱいに広げて、まるで生きている喜びに浸っているというか、自由を謳歌しているみたいだった。
真っ白い小さな綿のようなのを見つけた。
するとナント綿が動いている。
よーく見ると脚が3対あり、近づくとピョーンと飛び跳ねて行った。
アオバハゴロモ(青羽羽衣)の幼虫のようだ。
体は淡緑色だが、尻尾の先から白いロウ(蝋)物質を分泌し、それが糸状になって広がって体を覆っている。おそらく綿毛に擬態することで天敵からの攻撃を免れようとしているのだろう。
成虫は薄緑色の平べったくて小さい体の割には幅の広い三角形の翅を持っているが、幼虫も成虫に近い体ながらまだ翅を持たないという。それでピョーンと飛び跳ねて行ったのか。
しかし、飛び跳ねたあとはどうするのか?
うまくできたもので、高く飛び跳ねた幼虫は空中で糸状のロウ物質を傘のように広げ、パラシュートのようにして落下していくのだとか。
残念、飛び跳ねて葉っぱの陰に隠れてしまい、そこのところは目撃できなかった。
ハゴロモという名前は、パラシュートで空中を漂う真っ白な姿がまるで天女の羽衣のようだというのでつけられたのだとか。
成虫はよく集団で植物の茎などに止まっているところを見るが、幼虫も集団になることがあり、茎が一面綿毛みたいなので真っ白になるという。
さらにアオバハゴロモでおもしろいのがその学名だ。
Geisha distinctissima Walker というのが学名だが、Geishaが属名、distinctissimaが種名、Walkerは命名者の名前。
Walkerさんという人が、成虫の薄緑の翅を縁取る赤い色に色っぽさを感じたのか、「Geisha(芸者)」とつけたんだとか。
散歩の途中、また雨が降ってきたので、退散。