火曜日朝の善福寺公園は小雨。そのうちやむと出かけていくが、結局小雨降り続く。その後、曇り空に。
ヤブカンゾウが咲き出した。
有史以前に中国から帰化したと考えられている。
漢字で書くと「薮萱草」。漢方でよく知られる「甘草」とは別種。
別名をワスレグサ(忘れ草)。
その名の由来は、花が一日限りで終わると考えられるためだとか。「萱」と書いて「忘れ草」と読む。
万葉集に次の歌。
忘れ草 垣も繁みに植えたれど 醜(しこ)の醜草(しこくさ) なお恋にけり
原文は次のとおり。
萱草 垣毛繁森 雖殖有 鬼之志許草 猶戀尓家利
あの人のことを忘れようと思って忘れ草を垣根に植えたけれど、何てこった、何の役にも立たないじゃないか。ますます恋が募って仕方がない。
なかなか意味深。
このところ毎日のように同じ場所でコシアキトンボが次々に羽化している。
ヤゴの脱け殻にぶら下がり、雨にぬれないようして翅が乾くのを待っている。トンボにとって一番無防備な時間。それをジッと耐えているかのようだ。
きのうは雨だったので1匹も羽化してなかったが、小雨の降るけさは10数匹が羽化していた。
「そのうち晴れるのを知っているんだよ」と教えてくれる人がいた。
コシアキトンボはおなかの一部が白いため、腰のところが空いている、というので名前がついた。
羽化したばかりの個体やメスではこの白い部分が黄色になっている。
卵期間は1~2週間、ヤゴの幼虫期間は6カ月~1年程度といわれる。
ヤゴの期間はトンボの種類によって違っていて、日本固有のムカシトンボではヤゴから羽化までの期間は5年から8年とされていて、トンボの中ではヤゴの期間が最長なんだとか。
ヤゴがトンボになる羽化に要する時間は10分から30分程度。今ごろはまだ朝方に羽化しているが、暑くなってくると夜間に行われるようになり、日が昇る前に飛び立つという。