善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

エチオピア旅行記⑭ ダナキル砂漠と北エチオピア世界遺産周遊

旅行10日目の19日(火)は早朝ホテルを出てゴンダールからバハルダールに移動。
ゴンダールのホテル(ゴハホテル)の室内。
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バハルダールへの移動中に見た「フィンガーゴッドロック」と呼ばれる高さ25mもの直立した巨石。登るのは大変そうだ。
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バハルダールに入ると道がきれいに飾られていた。あす本番を迎えるティムカット祭の準備らしいが、布のように見えるのはトイレットペーパー。
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早朝に出発してバハルダールのタナ湖畔にあるタナ・ホテルに到着したのはお昼ごろ。
バハルダールは、青ナイルの源流であり、エチオピア最大の淡水湖であるタナ湖の湖岸に開けた町。青ナイルはここからエチオピア高原を下り、スーダンの首都ハルツームビクトリア湖ケニアタンザニアウガンダ)から流れる白ナイルと合流し、大河ナイルとなってエジプトを通って地中海へ注ぐ。

さっそく青ナイルの滝で知られる「ティンサットの滝」を見に出かける。
タナ湖は面積約3600㎢。ペリカンなどの水鳥も生息している。37の島があり、その21カ所に13世紀以来のエチオピア正教の教会や修道院がある。
船で青ナイルを渡り、ブルーナイルの滝を見に行く。
地元の人が利用する渡し船も活躍していた。
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田畑を耕すのにいまも牛は必須だ。
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乾燥した畑で小粒のレッドオニオンが栽培されていた。
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チャット畑。チャットの葉は噛めば噛むほど精神が高揚してくるという麻薬の一種というが、エチオピアでは合法。輸出もしているという。
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青ナイルの滝「ティンサットの滝」。
かつては幅が600mもある巨大な滝だったというが、今はそれほどでもない。乾季も影響しているのかもしれない。
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ちなみにこれが最盛期のティンサットの滝(ホテルのロビーに写真が飾られていた)。
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滝を見たあと再び船で対岸に戻り、車でホテルに向かっていると、ホテル近くの大通りがやけに賑わっている。ティムカット祭の前日祭が始まっていたのだ。急きょ車から降りて、祭の行列を見に行く。
ティムカット祭はエチオピア正教の最大の行事とされるもので、キリストの洗礼を祝うお祭り。毎年1月19日をはさんで3日間行われるが、19日は会社も学校も休みになり、信者たちはみな着飾って出かけていく。
何といっても貴重なのは、モーセ十戒を納めたタボット(アーク)がこの日だけ外に運び出されて、この目で見られるということだ。
タボットはアクスムにあるシオンの聖マリア教会のみに秘蔵されているが、実はそのレプリカがエチオピア正教の各教会や修道院に置かれている。ふだんは立ち入れない場所に置いてあってとても見ることはできないが、年に一度、ティムカット祭のときだけは教会や修道院から出て、衆目にさらされるのだ。

タボットが教会を出るのは祭本番の19日の前日。
ちょうどわれわれが遭遇したのが前日18日のタボットの行進。日本のお祭りでもお宮に納められていた神輿をワッショイワッショイと神社の境内から運び出すのを「宮出し」というが、それと同じに各地の教会から出て、集まったタボットは司祭の頭に乗せられて祭りの会場へと向かうが、行進の前後、左右は大賑わいで、にぎやかな歌も聞こえてくる。
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子どもたちも大騒ぎしている。
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向こうのほうから布で隠されたタボットを頭に乗せた司祭の一団がやってくる。
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目の前をタボットが通りすぎる。銃を担いだ兵士かポリス?が警護している。なかなか厳重。
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司祭の頭に乗っている布で隠されているのがタボット。よく見ると平べったい感じ。アークとはモーセ十戒の石板を納めた箱のことで、長さ130cm、幅と高さがそれぞれ80cm、と『旧約聖書』では大きさが決まっているはずだが、それより平べったい。ということは、タボットとはアーク(箱)ではなく中の石板を意味するのかもしれない。
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タボットのうしろから手拍子を打ち、歌をうたいながら若者たちが続いていく。
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タボットが通る道には青草がいっぱいに敷かれてあった。

タボットの行進を見送ったあと、いったんホテルに戻り、再び夕方、祭の会場に前日祭を見に行くことにする。
その様子は次回に。